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ASCO 2012 米国臨床腫瘍学会レポート

投稿日:2012年6月 1日 (金)

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髙橋 孝夫 准教授

 2012年6月1日~6月5日までUSA・シカゴで開催されましたASCO 2012(米国臨床腫瘍学会)に当科から吉田教授と私で参加しました。私はASCOへの参加は3年ぶり2回目でしたが、前回同様、surgical oncologistとしてエビデンスを塗り替えるような発表を生で聴きたい、見たいという希望が叶い、たいへん感激しております。

さて今回の発表内容ですが、Gastrointestinal Cancer 、特にColorectalの分野に興味があるトピックスがありましたので、これらを中心で聴きました。いつくか、注目した演題を御紹介します。

#CRA3503 

一次治療においてベバシヅマブ併用療法を施行した切除不能進行・再発大腸癌に対する初回増悪後のベバシヅマブ継続投与の有用性:第Ⅲ相ランダム化試験(ML1847試験)

 ベバシヅマブを含む一次治療増悪後においても、二次治療でベバシヅマブを継続投与することにより主要評価項目である全生存期間を有意に延長することが認められたと報告され、今後の切除不能進行・再発大腸癌に対する一次治療、二次治療におけるBBPが前向きに検証され、ベバシヅマブの使用法に注目しています。

#3508 

切除可能な肝転移を有する大腸癌患者への術前FOLFOX4療法:EORTC 40983試験による長期戦損の結果 -無作為多施設共同第Ⅲ相試験

 この試験のprimary endpoitであったPFSが術前FOLFOX4療法で有意に改善したことは以前報告されましたが、今回副次的評価項目である長期follow upした生存期間において有意な改善は示されなかったと報告され、術前NACが有用なのか、どうか疑問が残る結果でした。

#3502 

切除不能進行・再発大腸癌におけるregorafenibの第Ⅲ相試験: CORRECT試験

 経口マルチキナーゼ阻害剤であるregorafenibが標準治療抵抗性を示すようになった切除不能進行・再発大腸癌に対し、プラセボ群と比較し、OS、PFSにおいて有意に改善したと報告されました。切除不能進行・再発大腸癌に対する標準治療に抵抗性を示した後に、使用可能な新薬が登場したことに対して期待しています。

岐阜大学腫瘍外科 臨床准教授

髙橋 孝夫

dr.yoshida dr.takahashi asco

ASCO会場(McCormic Place)内のメイン通路での吉田教授との写真:

広い会場内を迷わずセッション会場に行くのが大変でした。