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第5回 学生セミナーを開催しました

投稿日:2012年9月28日 (金)

ご参加いただいた岐阜大学医学部の学生さんは
4年生が1名、5年生が15名、6年生が4名の合計20名でした。

セミナー概要

場所 : 岐阜大学医学部本館5階セミナー室
日時 : 平成24年9月28日(金) 19:00~20:30

プログラム

開会の辞  髙橋孝夫 先生

19:00~19:20 講演       ~外科研修医の1週間~

           岐阜市民病院     外科  安福  至 先生

19:30~20:30 特別講演    ~外科手術についての私見~

            多治見市民病院   副院長  加藤 浩樹 先生

講演 「外科研修医の1週間」 岐阜市民病院 安福 至 先生

安福 至 先生 プロフィール

岐阜県関市洞戸(旧洞戸村)生まれ29歳

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出身高校:岐阜東高校

出身大学:群馬大学(H21卒業)

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 前期臨床研修は岐阜大学病院腫瘍外科にて、「熱心な先生に勧誘されたことが始まりでした」と安福先生は自分の研修医生活を振り返る。

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 外科の高度専門領域の医療に触れた大学病院での研修医期間を経て、卒後3年目で岐阜大学腫瘍外科へ入局、現在は岐阜市民病院にて勤務中である。岐阜市民病院では、大学病院で経験したゆとりのある医療とはまた異なり、待機手術以外の緊急手術がとても多く4月から9月までの間に担当した緊急手術は18件であったが、上級スタッフ、外科ローテーションの研修医たちと協力し、治療にあたっていると語った。

岐阜市民病院での仕事の様子

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 また外科ローテーション中の研修医の先生たちが実際どのような研修をしているのかについて紹介し、集まった学生さんたちに外科研修の面白さをアピールした。

岐阜市民病院の研修医1年目の修練内容 同2年目
  • 糸結び・縫合の練習
  • 実際の手術・救急外来で糸結びと縫合の実践
  • 助手として手術に参加(戦力の一員として)
  • やる気があれば虫垂切除術・鼠径ヘルニア手術などの執刀まで
  • 虫垂切除術・鼠径ヘルニア手術・腹腔鏡下胆嚢摘出術などの執刀
  • 主治医として入院~手術~退院まですべてに携わります

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特別講演 「外科手術についての私見」手術が上手くなるために必要なこと  多治見市民病院 加藤浩樹 先生

外科医って?消化器外科手術って?

20数年間外科医をやってみて考えてみました...

「手が器用」

★服のボタンをかうことができる。      → これができれば大丈夫。

★★箸を使ってご飯が食べられる。     → 十分です。

★★★箸でグリーンピースをつまめる人。 → もう完璧です!!!

「センスが必要」 そもそも外科のセンスって何?外科のセンスなつものがあるとすれば、思考、姿勢です。外科手術は大部分頭でします。

では実際にはどういうヒトであれば、手術が上達するのか?私が医師8~9年目の頃、癌専門病院研修中で出会った消化器外科手術の達人外科医をみて思っていました...。「手技の反省、改善点の考察、その実践」 意識的、無意識化は別として繰り返しの中で上達したと思うんです。

 高難易度手術...たとえば食道癌根治術、膵頭十二指腸切除術...と言われる手術であっても、結局は1つ1つの基本的な手技の積み重ねで手術が成立する!

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私が思う頭でする手術

術前の情報収集から手術のイメージを十分にしておく(手順だけでなく、解剖学的な所見について)、起こりうる事態とその対処を想定しておく(危機管理能力!)、実際の術野に見えている解剖だけでなくそれが繋がっていく血管や層の連続性を理解・意識する。そのためには、実際の術野よりかなり大きな範囲で解剖を意識して手術を進める。血管を例にとればAortaからの連続でイメージする。

発生から理解する解剖のよさ

「木を見て森を見ずの逆」であり、「森をイメージしながら木を切る」手術によって、★手術の安全度が高まる、★実際の手術での応用力がUPする、★拡大手術ほどその威力を発揮するといえます。大きく臓器を切除する必要が発生した時ほど、むしろ手術時間は短縮され、出血は軽減し、合併症は減少します。つまり手術の質の向上につながります。

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    「イラストレイテッド外科手術 膜の解剖からみた術式のポイント 第3版」より引用

これからの外科手術について
  • 手術の低侵襲化
  • 基本的にハイテク化は進みます...具体的にいえば、鏡視下手術、ロボット手術(ダ・ヴィンチなど)
  • どんなに医学が進歩しても、どんなに医療機器がハイテク化しても、進化のスピードから言って当分人間の解剖は変わりません。
  • 根本的に手術の理屈は変わりません。
  • 頭で行う手術を行っていれば何も困りません。
  • 新しいことに挑戦する必要はあるかもしれませんが「度胸」が必要なだけです。

外科医が必要とされています

麻酔科医不足、婦人科医不足、小児科医不足...と言われて久しいですが...

実は外科医も不足しています!

  • これから、我が国は世界でも経験のない高齢化社会に突入していきます。
  • 外科医の手を必要とする癌の患者さんは確実に増加していきます。
  • 高齢者の増加に伴って、急性疾患の手術症例も増加していきます。

外科医が必要とされています。お国のために頑張りましょう。

懇親会の様子

 講演が終了後、会場をCOAへ移し懇親会を行いました。

 懇親会には関連病院の先生に多数のご参加をいただき、学生さんたちと交流していただきました。特に5年生の学生さんたちはこれから院外実習が控えていることもあって、各病院の様子など真剣な様子で尋ねていたのが印象的でした。また将来の志望科についての相談や、女性に限らず男性の学生さんたちの中にも、仕事とプライベートのlife work バランスを考え、重視していることが話しているうちに分かり、とても興味深かったです。

 学生さんと医局の先生がたの多数のご参加をいただき、本当にありがとうございました。

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