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ESMO 2012 欧州臨床腫瘍学会レポート

投稿日:2012年9月29日 (土)

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 2012年9月28日~10月2日にオーストリアで開催されたESMO(European Society of Medical Oncology) 2012に参加しました。

 吉田教授が進行胃癌に対するTS-1とドセタキセル併用療法のPhase Ⅲ trial (START trial)の結果をご発表されました。また当医局から奥村先生のレポートをお届けします。

吉田先生の発表が、学会ホームページに紹介されました。

ESMO 2012 Press Release: Studies show advances in gastrointestinal cancer treatments

Phase III data reported at ESMO 2012

David Ferry, Kazuhiro Yoshida

VIENNA, Austria, 29 September 2012 -- New trial data showing improvements in the treatment of esophageal and gastrointestinal cancers were released today at the ESMO 2012 Congress of the European Society for Medical Oncology in Vienna.
Phase III, randomized, double-blind, placebo-controlled trial of gefitinib versus placebo in esophageal cancer progressing after chemotherapy

詳しくはこちらのリンクから↓↓↓

http://www.esmo.org/about-esmo/press-office/esmo-2012-press-releases/view.html?tx_ttnews%5Bpointer%5D=2&tx_ttnews%5Btt_news%5D=
1618&tx_ttnews%5BbackPid%5D=2581&cHash=8602dcc4e9

ヨーロッパ臨床腫瘍学会および日本ハンガリー外科学科に参加して

平成8年卒 奥村直樹

このたび第37回ヨーロッパ臨床腫瘍学会(European Society of Medical Oncology;ESMO)と第5回日本ハンガリー外科学会(Japan-Hungary Surgical Society;JHSS)に参加する機会を与えていただきました.9泊11日と長期の出張となりましたが非常に有意義な時間であったと思います.

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初日の朝,学会場に向かう途中,地下鉄の階段で足を挫いてしまい残念ながらほとんど観光ができませんでしたが,その分会場でじっくり講演を聴く事ができました.ESMOはASCOには及びませんが,世界中のoncologistが集まり数多くの臨床試験が発表されます.今回の参加者は1万6千人で,欧米のみならずアジアからも多くの参加者が見られました.

吉田教授の発表は2日目の朝のLate breaking abstractで,START trialの最終解析の報告でした.流暢な英語での堂々たるpresentationで,翌日のESMO Congress Dailyには,「Winning Combination for Gastric Cancer」の見出しで取り上げられました.

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残念ながら,胃癌のセッションは少なく,大腸癌,乳癌を中心に情報収集をすることができました.選りすぐられた演題であり発表内容,プレゼンテーションの手法など勉強になりました.ポスターセッションも国際学会らしく非常に活気があり,この様な場所で発表できる仕事をしたいと思いました.

3日目の夜には吉田教授ご夫妻と国立オペラ座でオペラ鑑賞をしました.題目はFidelioで3階のboxシートでした.簡単な解説書を読んであらすじは理解していましたが,慣れない雰囲気に少々緊張しました.約3時間の公演中はその迫力に圧倒され,素人でも引き込まれてしまう魅力はやはり本物の芸術のすごさだと感心させられました.

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足の痛みがようやく軽快した5日目にウィーンからブダペストに移動しました.列車で3時間の移動でした.車窓の風景を楽しみながら,この旅行記を書きつつ翌日のプレゼンテーションの練習をしてブダペスト東駅に到着しました.旧東ドイツ領以外では生涯初の東欧入りとなりました.タクシーでホテルに向かう途中,"鎖橋"からのドナウ川の景観はまさに絶景で,ドナウの真珠と形容されるだけあって非常に印象に残りました.

その夜に同期の松橋先生と合流しました.ハンガリーは一般的に日本人にとっては馴染みの薄い国だと思われますが,ハンガリーは人口当たりのノーベル賞受賞者数が世界一であり伝統的に科学が盛んな事,多くの日本人学生がハンガリーの大学で医学を学んでいる事など,知らない事が色々あり驚きました.

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日本ハンガリー外科学会は,2年ごとに日本とハンガリーで交互に開催され,今回で5回目の開催であり,規模は小さいですが消化器,呼吸器,血管外科など多岐の分野にわたりレベルの高い演題が発表されました.日本での留学経験のあるハンガリー人が日本語で発表された事は驚きでした.私は,当科における腹腔鏡下噴門側胃切除術の検討を発表させていただきました.

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最終日はエクスカーションで,高級陶磁器として有名なヘレンドの工場見学,世界遺産のパンノンハルマ,そしてオーストリア国境近くのエステルハージ宮殿と早朝から深夜までバスでハンガリーの西半分を巡る小旅行でした.

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ハンガリーの方はfriendlyでたいへん暖かいおもてなしを受けた事は忘れられない想い出となり,外科に携わる情熱は国を超えて共有できものだとつくづく感じさせられました.今後は我々の世代がこの友好を受け継いで,ぜひ若い先生方にも参加していただきたいと思いました.