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岐阜外科漢方フォーラム

投稿日:2018年1月19日 (金)

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2018年1月19日に岐阜県総合医療センター看護部 信田直美氏、当院薬剤部 藤井宏典先生、そして徳島大学大学院医歯薬学研究部消化器・移植外科学 島田光生教授、九州大学大学院消化器・総合外科 前原喜彦教授をお招きし、岐阜外科漢方フォーラム ~漢方医学と西洋医学の和~が行われました。

開会の辞として、岐阜市民病院 杉山保幸先生にご挨拶をいただきました。

一般演題 では、岐阜大学大学院医学系研究科 がん先端医療開発講座 松橋延壽准教授が司会をされ、①『生活のしやすさに関する質問票を用いた苦痛スクリーニングの現状』について岐阜県総合医療センター看護部の信田直美氏に御発表いただき、②『当院外来化学療法室における支持療法~がん化学療法の副作用に対する漢方薬の使用経験~』について岐阜大学医学部付属病院薬剤部の藤井宏典先生に御発表いただきました。

信田氏からは同院でがん化学療法や緩和ケアを受けられている患者さんを対象に苦痛スクリーニングを行った結果、約半数以上の方が何らかの苦痛を抱えておられる現状とその対策を報告いただきました。藤井先生からは、化学療法における有害事象の一つである口内炎に対し、半夏瀉心湯を用いてマネージメントを行っている現状を、実際のケースも含めて報告いただきました。

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座長 松橋延壽先生 信田直美先生 藤井宏典先生

Special lectureでは、岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍外科学 吉田和弘教授が司会をされました。

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Special lecture 座長 吉田和弘教授

Special lecture1では『外科漢方のOrthodox&Serendipity』というテーマで、徳島大学大学院医歯薬学研究部消化器・移植外科学 島田光生教授に御講演をいただきました。

まず、島田教授が漢方に注目された経緯、さらにTU-100により肝血流・門脈血流が増加するメカニズム、茵蔯蒿湯の肝庇護作用・線維化の抑制メカニズム等、同大学院での研究成果を御紹介いただきました。また、DKTフォーラムにおいて展開された肝臓外科、胃外科、大腸外科でのTU-100の臨床試験の結果をご紹介いただきました。TU-100が腸管運動を促進するというOrthodoxから、同臨床試験から得られたデータから患者の絞り込み・Big dataの利用・他の薬効というSerendipityについてお話しいただきました。TU-100に限らず、日頃からOrthodox からSerendipityを意識した臨床・研究をしていく重要性を感じました。最後に、NHKで放送された教授回診の様子をご紹介いただき、島田教授の患者さんと笑顔で向き合われている姿がとても印象的でした。

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Special lecture1  島田光生教授

Special lecture2では『漢方をサイエンスする』というテーマで、九州大学大学院消化器・総合外科 前原喜彦教授に御講演をいただきました。漢方の成り立ちから今後の方向性まで大変わかりやすくご講演いただきました。漢方とは、複数の生薬がブレンドされており、また1つの生薬のなかにも多くの成分が含まれており、相乗効果を発揮するメカニズムをお話しいただきました。さらに大建中湯、六君子湯、半夏瀉心湯、十全大補湯を例に基礎研究から臨床研究までエビデンスを紹介いただきました。また漢方をサイエンスするための問題点とその解決法を御提言いただき、今後、漢方は癌集学的治療においても外科治療や化学療法、放射線療法、緩和ケアなどと並んで重要な役割を果たす可能性を感じました。西洋医学と漢方医学の融合の実現、漢方からKAMPOへと日本から世界へエビデンスを発信する必要性をお話しされ、一同大変感銘を受けました。

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Special lecture2  前原喜彦教授

最後に閉会の辞として、岐阜総合医療センター 國枝克行先生にご挨拶をいただきました。

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謝辞

日本そして世界の消化器外科学における臨床・研究のトップを走られている前原教授、島田教授に岐阜の後で講演して頂き、大変貴重な会となりました。遠路はるばる岐阜に来て頂き、本当にありがとうございました。医局一同感謝申し上げます。

文責 今井健晴