診療内容(胃外科について)

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胃外科について

上部消化管外科・胃年間手術症例数年次推移(新病院移転以降)

2004年に新病院に移転後、2007年8月から吉田教授新体制となり、当院腫瘍外科で治療を受けていただく胃癌手術患者数は増加してきています。岐阜市、あるいは岐阜市近郊のクリニックの先生、当院消化器内科の先生の甚大なご協力・ご努力により、いわゆる治癒可能となる早期胃癌の割合も増えてきております。  腫瘍外科・上部消化管・胃グループでは、次の3点が実地臨床での柱であります。それぞれについて具体的に述べます。

Ⅰ.患者さんにやさしい腹腔鏡手術
Ⅱ.高度進行胃癌に対する抗癌剤治療後の手術
Ⅲ.新たな集学的治療戦略の開発
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Ⅰ.患者さんにやさしい腹腔鏡手術

早期胃癌の治療には、以下に示すものがあります。

①胃内視鏡下の切除(内視鏡下粘膜下層剥離術、Endoscopic submucosal dissection:ESD) ・当院では消化器内科の先生が、年間100人ほどの患者さんに対して行っています。適応は早期胃癌の中でも限られていますが、外科的治療とは異なり、開腹や胃切除(1/2~1/3の胃の切除)をすることなく、病変を内側から剥ぎ取る治療です。

②腹腔鏡下胃切除術
・当科では、早期胃癌で①の適応からはずれた患者さんに対して、積極的に行っています。手術患者さんの約4割がその適応となります。

③通常の開腹胃切除術
・主に、開腹術の既往があり上腹部に強い癒着が予想される患者さんに対して行っています。

年間手術症例数年次推移(新病院移転以降)腹腔鏡手術と開腹手術との割合

当科では、2002年から腹腔鏡手術を導入し、2010年12月までに約220人 の患者さんに受けていただいております。2005年からの推移をグラフにしま すと、積極的に行ってきたこともあり、上記の如く手術全体に占める割合が 増加してきています。

腹腔鏡下胃切除術のメリット

・メリット
  ①傷が小さい、痛みが軽い・・・・・患者さんにやさしい
  ②低侵襲手術であり、術後早期の回復が早い。
  ③出血量が少ない。
  ④拡大視効果

・デメリット
  ①腹腔鏡で見えていない場面での出血・臓器損傷の可能性がゼロではない。
  ②開腹術への移行の可能性がゼロではない。
  ③医師の技術面の問題
  ④医療コスト

腹腔鏡下胃切除術の実際

・腹腔鏡手術は腹腔内に空間を作るために炭酸ガスを低圧で注入します(気腹)。直径5mmあるいは12mmの気密が保たれる筒状のものを留置し、主に直径5mm・長さ40cmほどの腹腔鏡手術用の特殊な鉗子で手術を施行します。

腹腔鏡下胃切除術の実際

十二指腸切離

動脈のクリップによる処理

胃切離

残胃十二指腸の吻合

残胃十二指腸吻合終了

術後1カ月後の手術創

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Ⅱ.高度進行胃癌に対する抗癌剤治療後の手術

腹膜播種、肝転移、手術で制御不能な遠隔のリンパ節転移を有する高度進行胃癌 の場合、胃癌治療ガイドラインで推奨されているように、手術ではなく抗癌剤治療の 適応となります(病変による食物の通過障害がある場合はバイパス術を先行する場合 があります)。近年新規抗癌剤の多剤併用療法により、充分な効果が得られる患者 さんが増えてきましたが、抗癌剤のみで治癒は望めません。  当科では下記に示しますように、抗癌剤の効果が充分得られ、肉眼的に腫瘍の残存 なく切除可能と判断した患者さんに対して、手術の選択肢があることを説明します。

このように抗癌剤が著効した患者さんに対して同意が得られれば、ある程度の リンパ節郭清を含めた胃切除術を施行しています。過去に遡った当科でのデータ では、抗癌剤治療のみで治療した患者さんより明らかに良好な成績が得られてい ます。

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Ⅲ.新たな集学的治療戦略の開発

当科での治療戦略

Ⅱ.高度進行胃癌に対する抗癌剤治療後の手術が標準治療になり得るか、 現在、前向きな臨床試験として検証することとしています。2010年11月から関連 病院にもご協力いただき、下記のタイトルで開始しました。

StageⅣ胃癌の治療成績を評価する前向きコホート調査ならびに
化学療法[TS-1+α]が奏効したStageⅣ胃癌症例に対する
Volume Reduction Surgeryの意義を検証する臨床第Ⅱ相試験
PerSeUS-GC-01