診療内容(肝臓・胆のう・膵臓外科)

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肝胆膵外科について

 肝胆膵外科とは、肝臓、胆道(胆管や胆嚢)、膵臓の病気を、手術を中心とした治療方法により完治を目指す分野です。肝臓、胆道、膵臓がひとまとめにされておりますが、やはり各臓器別に良性から悪性まで、多種多様な病気があり、それに伴い、手術や抗がん剤治療などの治療方法も非常に多岐にわたり、複雑な点が特徴です。
 肝胆膵外科手術には、難易度が高い手術が多いため、最も重要な点は安全に手術を完遂することになります。よって、日本肝胆膵外科学会(http://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=1)では、高難易度手術を安全に、かつ確実に行うことのできる外科医(高度技能専門医)を育成する制度を2008年より開始しております。岐阜大学医学部附属病院は日本肝胆膵外科学会に認定された高度技能医修練施設であり、高度技能専門医と高度技能指導医がおります。

担当医

吉田和弘 教授
昭和59年卒業
村瀬先生.png 村瀬勝俊 准教授(高度先進外科)
平成6年卒業
深田.png 深田真宏 助教
平成22年卒業
東先生.png 東 敏弥 助教(高度先進外科)
平成22年卒業

症例数の年次推移

岐阜大学医学部附属病院で行った肝切除術と膵切除術の推移です。疾患としては、大半が悪性腫瘍(がん)の手術であり、年によって肝臓手術多い年、膵臓手術が多い年などのばらつきはありますが、おおよそ年間80例の手術を行っております。その他、年間約50例の胆嚢摘出術を含むその他の肝胆膵外科手術を行っております。

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当科は日本肝癌研究会への登録施設であります。   

  • 原発性肝癌切除症例の5年生存率は56.3%であり、全国集計(53.4%)に比べ遜色はありません。
  • また転移性肝癌に対しては、大きさ個数による規制なく、積極的な外科治療を応用しております。

当科は日本膵臓学会の登録施設であります。

  • 膵臓癌切除後5年生存率は、膵頭部癌で11.2%、膵体部癌で16.8%であります。(肝臓癌・膵癌とも過去20年間の集積)

合併症が多く重篤化しやすい領域ですが、
安全で、かつ予後に貢献できる治療を心がけております!

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肝臓外科

日本肝胆膵外科学会に認定された、高度技能医修練施設です。 高度技能指導医を擁した積極的な肝切除術にて予後の向上に貢献できるよう、また岐阜県がん拠点施設である大学病院の責務を全うするよう、日々鋭意努力しております。

肝臓がん手術

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 肝臓がんには肝臓から発生する「原発性肝がん」と、他臓器のがんが転移した「転移性肝がん」があります。原発性肝がんの多くは、「肝細胞がん」ですが、近年はC型肝炎も治癒可能な疾患となり、今後は手術が必要な方も減少してくると思われます。

 当科の肝細胞がん手術成績は、下のグラフの通り、全国平均と同等の治療成績となっています。

合併症ゼロの肝切除術を目指して

肝臓は心臓などと同様に、ひとが生きていくためには不可欠な臓器であり、肝臓を全部切除することはできません。しかし、肝臓には再生能力があるため、健康な肝臓であれば、数ヵ月でほぼ元通りの働きに回復します。肝切除術において最も重要な点は、患者さんによって肝臓の再生能力が異なるため、安全に切除可能な肝臓の大きさも異なる点です。つまり、健康な肝臓の方では半分の肝臓を切除しても大丈夫ですが、不健康な肝臓では肝臓の再生能力が弱く、肝不全という致命的な合併症が起きてしまいます。よって、安全な肝切除のためには、術前にひとりひとりの肝臓の健康具合を厳密にチェックし、残すべき肝臓の大きさを推定する必要があります。その上で、CT画像をSYNAPSE VINCENT®で解析し、肝臓の大きさ、脈管の走行、腫瘍の大きさや部位から手術で残る肝臓の大きさを正確に算出し、術後肝不全の可能性を限りなくゼロにすることが可能です。また、この画像は3次元画像であり、手術の際のシミュレーションや術中の手術支援としても有用です。

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腹腔鏡下肝切除術

腹腔鏡下肝切除術は2010年4月より保険診療として行われるようになり、徐々にその適応は拡大されてきました。岐阜大学病院では、2011年5月に認定施設として承認され、腹腔鏡下肝切除術の第一歩をスタートさせました。この手術のメリットは、通常の肝切除に比べ非常に小さな傷で手術が可能であり、術後の痛みの軽減や早期回復にとって有用である点です。しかし、その低侵襲性により、手術の安全性やがんの根治性が損なわれることは、あってはならないことであり、術前に綿密な治療計画を立て、安全な腹腔鏡下肝切除術ができるだけ多くの患者様に提供できるよう、一歩ずつ進化していきます。

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この手術のメリットはなんといっても、通常の肝切除に比べ、非常に小さな傷で手術が可能であり、術後の痛みの軽減や早期回復にとって有用である点です。し かし、その低侵襲性により、手術の安全性や癌の根治性が損なわれることは、あってはならないことであり、術前に綿密な治療計画を立て、安全な腹腔鏡下肝切 除術ができるだけ多くの患者様に提供できるよう、一歩ずつ進化していきます。

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胆膵臓外科

膵癌・胆道癌は一般的に予後が不良とされております。 特に膵頭部に腫瘍が存在する場合には膵頭部とともに胆管、胃の一部、十二指腸を切除する必要(膵頭十二指腸切除術)があり、手術は非常に複雑であるのみならず、術後に合併症を併発すると大変重篤となります。
当科では合併症の予防のために、また予後の改善を目指し以下の努力をしております。

胆道癌手術

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 胆道がんは、胆管にできる「胆管がん」、胆嚢にできる「胆嚢がん」、十二指腸乳頭部にできる「乳頭部がん」に分けられ、肝臓がんや膵臓がんに比べれば、やや頻度が少ない疾患です。抗がん剤も効果的ですが、完治を目指すには手術が必要になります。胆道がんの手術は、肝臓や膵臓を一緒に切除する必要があるため、非常に複雑な手術となり、膵臓がんに匹敵するぐらい再発の危険性も高い疾患です。
 当科での手術成績は下のグラフの通り、全国の病院と同等の治療結果が得られています。

 

膵臓がん手術

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 近年、肝胆膵外科診療において、最も大きく変化があった領域は膵臓がん治療です。膵臓がんはこれまで有効な抗がん剤治療が少なく、5年生存率が10%未満の疾患でした。しかし、近年、FOLFIRINOX療法やゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法の出現により、これまでは手術不可能と考えられた膵臓がんも抗がん剤治療で切除可能になることがみられるようになりました。また下図は最も新しい治療ガイドラインから引用した治療アルゴリズムですが、切除可能な膵臓がんに対しても、術前に抗がん剤治療を行うことが勧められるようになりました。今後は、いかに手術による根治性を高めるか、術後の再発を抑制するかが重要な点であり、その上で、手術前後にうまく抗がん剤治療を組み合わせていくことが注目されます。

(膵癌診療ガイドライン 2019年版より)

 下図が当院での膵臓がん治療成績です。全国平均と比較しても、遜色のない手術成績が得られております。

腹腔鏡下膵切除術

腹腔鏡下肝切除術に続き、2012年より腹腔鏡による膵臓手術を開始しました。その適応も徐々に拡大され、現在は一定の基準内の膵臓がんに対しても施行可能となっており、岐阜大学病院でも手術件数が増えております。良性疾患では脾臓の温存が可能な場合もあるため、積極的に低侵襲性を追求しますが、がんでは広範囲の切除が必要となるため、安全性と根治性を考慮した綿密な治療計画を立てて臨むことが重要です。

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消化器外科統合

 これまでの岐阜大学病院では、消化器外科診療を2つの診療科で分担して行っていましたが、2019年4月より2つの診療科が一本化され、新たな外科、消化器外科としてスタートしました。肝胆膵外科の分野でも、スタッフがより充実し、より多くの患者さんの要望に対応することが可能になっただけでなく、両診療科の長所を生かした、幅広い治療が展開されております。

これまでも困難症例には、心臓血管外科や呼吸器外科に協力して頂くことはありましたが、現在は毎週、外科合同カンファレンスが開催されており、より各診療科の連携が密になり、新たな手術や治療法の可能性が拡がりました。今後も、患者さんのニーズに応えられる肝胆膵外科診療を続けていきたいと思っております。

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