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シカゴ研修紀 5月29日〜6月6日

更新日 2017.07.23

シカゴ研修紀         

田島ジェシー雄 田中善宏

<シカゴ大学見学・2017 ASCO Annual Meetingに参加して>

シカゴ・オヘア空港へもどるCTAトレインの中で・・
田中「ジェシー、まあしかし明日からまたいつもの日常が始まるね・・」
田島「なんすか、先生。いやなんすか」
田中「いやだね」
田島「あー、でもなんか、わかるっす。」
田中「ちょっと夢の9日間思い返していい?」
田島「いいっすね。濃すぎましたね。」

この度、5月29日から6月6日(日本時間)の旅程で、アメリカ、シカゴにおいて⑴シカゴ大学外科学教室の見学、⑵2017 ASCO(American Society of Clinical Oncology) Annual Meetingに参加させていただきました。今回はこの二つの貴重な体験を報告いたします。

シカゴ大学見学 5月30日〜6月1

この度2017 ASCO Annual Meetingに先立って、吉田教授の格別な計らいとシカゴ大学Surgical Oncology教室の教授Mitchell Posner先生のご厚意により、3日間シカゴ大学を見学する機会をいただきました。

5月30

<10:00-11:00 Lab Conference, Knapp Building>

腫瘍放射線学教室において1題の研究成果発表に対し、和やかな雰囲気の中でも多くの研究員からたくさんの質問や意見が飛び交い、非常に活発な議論がなされていました。吉田教授も議論に参加(参加者から'なるほどー'というリアクション)。カンファレンスに参加していたSurgical Oncologyのレジデントの3人と話す機会もありましたが、いずれも研究を始めて2年目とのことでしたが、話し振りから自分の研究テーマやその詳細がしっかり頭の中でサマライズされていることが良く分かり、レベルの高さを痛感しました。2年次からリサーチ生活を開始し、2年後臨床を経験し始めるとのこと。博士号を取得には3-4年かかるとのこと。Clinicalドクターは研究をしてからと言っていました。

<12:00-13:00 GI conference>.

治療困難症例を中心に、内視鏡医、放射線科医、病理医、外科医、腫瘍内科医、看護師など多職種が一同に会し、NACの治療効果や今後の治療方針などについて各専門的立場から議論がなされていました。症例は食道胃接合部癌、胆管癌、膵癌症例が多く、本邦での治療方針にも興味を持たれ吉田教授にコメントを求める場面もありました。スピーディーな議論でなかなか全てを把握することは困難でしたが、アメリカのチーム医療ならではの現場を体験できとても有意義でした。大腸癌手術症例は年間400例とのこと。

<6:30- Dinner @ The Boarding House>

翌日Memorial Lectureをされる、米国ピッツバーグ大学のDavid Bartlett教授を招いた夕食会に参加させていただきました。ここでもさまざまな診療科のトップランナーが一同に会し非常に楽しく会食しました。話題はアカデミックなことから、週末のBBQや釣り、メジャーリーグベースボールまでさまざまで、専門の細分化で私が懸念するような垣根の問題などはGI conferenceも含め微塵も感じませんでした。メインディッシュの肉料理の味付けに感動する。吉田教授から日本の医療制度と米国との違いなどが話され、興味津々でした。

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5月31

<6:15 Mortality&Morbidity conference>

朝4時半起き(まだ時差ボケ)で、シカゴ大へタクシーで向かいます。術後の合併症症例を5例ほど提示し、問題点や改善点をディスカッションしていました。治療経過についてフロアからの意見も活発で建設的な議論がなされているように感じました。電子カルテをあちこち提示するのではなく、プレゼンターはPower Pointで要点を作成。Posner教授がその前横に座られ司会をされる。敗血症からの死亡例などにつき討論。準備に時間はかかるでしょうが、要点が伝わるため、議論がスムース。たこつぼ心筋症や、大動脈手術での出血例、十二指腸潰瘍の腹腔鏡下の閉鎖術などが文献考察のもと提示されていました。大柄なDrたちのやりとりで迫力もありました(笑)。

<7:15 The 21st Annual George E. Block Memorial Lecture, David Bartlett教授>
ピッツバーグ大学から招聘されたBartlett教授のメモリアル講演に参加。100人くらい参加。スクリーンは5つ。メインテーマは、腺癌・黒色腫・偽粘液腫などの腹膜播種病変に対する現状について、専門にされているHIPEC(Hyperthermic Intraoperative intraperitoneal chemotherapy:術中腹腔内温熱化学療法) を拝聴しました。講演後、吉田教授が胃癌の播種治療に関して同教授と議論される。朝一の基調講演は人生初体験・・。

<8:30-13:00 Operation: 膵頭十二指腸切除術>

Posner教授執刀のPDを見学しました。7:30には患者がOPE室入室し、8:30前にはOPEスタート、13時台にも手術は終了するという"朝方業務"。早朝からの業務スタートが当然のように麻酔科医、看護師含め病院全体に浸透しているように感じました。またOPE室看護師は各個人が臓器別にスペシャライズされており、今回Posner教授の器械出しを担当された看護師も20年間Posner教授のOPEを担当されているとのことでした。手術をスムーズに進行する上では非常にリーズナブルなシステムであると感じました。播種の疑いの病巣を術中迅速でPosner教授自ら鏡見される。オペ直後の4人の写真↓。

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吉田「さあ、うまいもん食わな!」
田中・田島「いいっすね!」
前日の肉料理がこってりだったため、シカゴの和の代表的なOysy店で、カルフォルニア巻きや、Sushiに舌鼓を打つ。地球の反対側で、吉田教授のイギリス・オックスフォード大留学時代の話を聞く。苦労ももちろんあるが、日本人の勤勉さ、イギリスの美しさ、成果を出すために何が必要かなど・・。

6月1

<Campus Tour>

シカゴ大学見学最終日は午前中、BMI58の患者さんの減量手術(Rouxen-Y手術)を見学。逆流性食道炎がひどく、同術式を採択されたとのこと。その後Posner教授ご自身に非常に多忙な中、私たちを病院周辺だけではなく、キャンパス全体を案内していただく。時間にして、1時間半ほど、距離にして3.5kmほど歩く。歴史を感じる建造物が立ち並び、圧倒されました。

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⑴ 2017 ASCO Annual Meeting  6月2〜4日 

6月2日から4日までの3日間はASCOに参加しました。会場のMcCormick Placeは1万人規模が2箇所、さらに数千人が入れそうな会場が数カ所あり、自分たちの想像を超えるモンスター級の広さでした。

内容も様々な癌腫で、オーラル・ポスター問わずPD−1, PD-L1などといったimmune oncologyやprecision medicineに関する演題が多く、癌治療の進歩、新たなステージに入ってきていることをひしひしと感じました。

この日から二村 学准教授が参加です。

二村「いやあ、ミシガン湖の風は気持ちいいっすね。」
吉田「さあ、なんかうまいもん食べるかあ!」
二村・田中・田島「いいっすね。いきましょ!」
二村「何系がいいっすか?肉?魚? あ、おれいい店知ってるっす!うまい寿司だすんすよ」
吉田「ほんま?」
田中「なんの店っすか?」
二村「まかせとけ、善。えーっと、こっちや、こっち」 あまりの自信に3人はお任せする。PM8時の美しいシカゴの街を、美濃の侍は、縦横無尽に突き進む。
吉田「おーい、ふたさん!」
田島「二村先生!」
美濃の無防備な侍は、尚裸一貫突き進む・・。
田中「教授。二村先生どっか消えちゃいましたね」
吉田「普通、後続を確認せん?」
田中・田島「・・同感っす」
美濃の侍にも、Cell phoneが懐に。
プル・ル・ル・・。
美濃侍「道をLostしてしまいました」
信長「わかった、とりあえず、動かんといてくれ」
家来「殿、いました! あそこ!」
家来「もしや、向いのあの店のことっすか?」
美濃侍「それや!」
一同「・・・昨日、行きましたよ・・・」

また、ASCO期間中に、NGST-Japan(6/ 1,2)やFACO(6/ 3)のミーティングにも参加させていただく機会があり、NGST-Japanでは次世代シークエンスを用いた研究テーマについて活発なディスカッションが行われました。またFACO meetingではアジアからのエビデンス発信に向けて、胃癌CONVO-GCについてや、乳癌の新たなトライアルのブラッシュアップ(二村学先生プレゼンテーション)、そして膵癌の新たなトライアルの提案がありました。多国間でさまざまな意見を集約、一致させることの難しさとエビデンスの産声の場に自分たちがいることを肌で感じられ、とても良い経験となりました。昨年のFACO meetingにも参加させていただきましたが、吉田教授がどちらも司会進行を務められ、その英語力と交渉力、見事な会の進行に圧倒されました。

1週間という長い旅程でシカゴ大学見学、ASCOに参加させていただき、吉田和弘教授、そして同門みなさんに感謝申し上げます。この経験が無駄にならないよう、研究、臨床で高いレベルを目指し日々研鑽して参りたいと思います。

若手の先生方へ、

すべての日程を終え、シカゴ大のキャンパスの芝に3人座り語りました。まるでアメリカ映画のワンシーンのような心地よさの中、走り続けたProf. Kazuhiro Yoshidaの生き様を聞き、よしおれらもやったろか!とアドレナリンが滴り落ちました。ぜひぜひ、チャンスを引き寄せ飛び込んでくださいね!

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<NGST-Japanm meeting>

番外編)

日没後のミシガン湖の風に吹かれると、お酒がすすみます。ASCO期間中も、昼間はしっかり討論、夜はがっつり飲んでミディアムレアの肉をほおばる。そして朝の早さを脳裏に追いやる。そんなハイテンションな日々の中、新参者二人がやらかします・・・。

 「田島携帯騒動」・・・シカゴ大見学最終日の朝、タクシーに乗り込みシカゴ大学へ。到着し、タクシーから降りるといつも携帯を入れているポケットがいやに軽い、まさか!と思い後ろを振り向いた時はすでに手遅れ、イエローキャブは走り去っていました。スマホケースにはクレジットカードなども入っており、シカゴ大学内で利用停止作業に追われ、吉田教授やPosner教授はじめシカゴ大のスタッフも巻き込んでの大捜索となりましたが、その日は結局見つからないままホテルへ。吉田教授のホテルマン・タクシー会社への捜索願いがはじまる。明日朝見つからなかったら携帯を止める覚悟でいましたが、なんと翌朝タクシードライバーと連絡が取れ無事にカムバック。紛失後、幾度となく吉田教授が私の携帯に電話をかけてくださり、たまたま後部座席に落ちていた携帯の着信を聞いたドライバーが反応してくれたとのこと。吉田教授、本当に本当にありがとうございました!!
m(_ _)m
 「田中メガネ、メガネ騒動」・・・病的な遠視のため、メガネがないと携帯が見れないのに、シカゴ大のオペ室で紛失する、、。Posner教授に迷惑かけないようにまたも捜索開始、、(若い日本人=紛失)のイメージ払拭できぬまま、次の日を迎える。朝6時のPosner教授の部屋でなんと、、「The visibility is good with this!」と探し出していただきました。

 アメリカってやさしい・・・(涙)(田島・田中)

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<遠いシカゴの地で無事カムバックを果たした私たちのメガネと携帯((-_-;))>

最後の写真は、ステーキレストラン行脚と、朝焼けのミシガン湖です。シカゴは伝統的に肉料理、特にスペアリブなどが有名とのことで、良さげなレストラン、バーを見つけてはステーキを食べまくる毎日でした。ウエイターもフレンドリーでしたし、外では地元民(かなり酔っ払ってました)とも仲良く写真撮影まで。シカゴはとてもいい街でした!!

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文責 田島ジェシー雄 田中善宏




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