診療科等別プログラム

第二外科

はじめに

この20年間、わが国の死亡原因は「がん」がトップであり、今では10人のうち3人が「がん」で死亡する時代です。「がん」はいまや国民病と言っても過言 ではありません。ようやく国としても癌対策基本法などの制定がなされ、我が国でも癌に対しての治療と研究は国家的プロジェクトとなりました。私たち腫瘍外 科教室では、食道癌・胃癌・大腸癌・肝臓癌・膵臓癌などの消化器癌のみならず、近年発生率も上昇し、治療も多様化した乳腺疾患を中心とした、癌治療・研 究・専門分野です。私たちは癌に対する手術技術をトップレベルのものとすべく研鑽を重ねているだけでなく、抗癌剤を中心とした化学療法の専門的知識を有し ており、新たな癌治療を臨床試験として全国展開しています。緩和ケアもその中で重要な分野で、Surgical Oncologist(腫瘍外科医)として切り離せない分野であることは言うまでもありません。癌拠点病院である岐阜大学病院で、先進的な癌治療と癌研究 を新たなエビデンスとして、岐阜から世界へ発信することが私たちの夢であります。
さらに、生命に関わる頻度が高い疾患として忘れてならないのが「急性腹症」です。外科医でなければ、初期診療における重症度や緊急度の判断はできず、実際 の治療(手術)にも手を出せません。当院では、高次救命治療センターとも連携しながら、消化器領域の救急患者を診療しています。
近年急激に増え続ける消化器癌・乳癌の基本的治療はいまだ外科的切除です。外科医としてのアート(手術手技)を磨くのみならず、切除不能・再発癌症例に対 して後は知らないと言う外科医でありたくないと思っています。患者さんやその御家族から「大学病院に来てよかった」と言ってもらえることが私たちの喜びで あります。
さあ若い先生方、癌治療と癌研究を一緒に極めようではありませんか。
迷っている君、熱い情熱と元気な君、お待ちしています。

プログラム

後期臨床研修プログラムには、「専門医コース」と「大学院コース」を用意しています。一般外科の基礎的な研修を2年間受けたあと,外科臨床の実践を重視し て専門医を取得したい場合は「専門医コース」,基礎研究を経験して学位を取得したい場合は「大学院コース」を選択することができます。
少しでも早く研究に従事して学位を取得したいときは、2年目もしくは1年目から「大学院コース」に入ることも可能ですし,意欲があって臨床をやりながら研 究もやりたいときは、大学病院で医員として診療に従事しながら研究する方法や、「社会人大学院」の制度を利用する方法もあります。
「専門医コース」は、最初に「日本外科学会専門医」を取得することから始まります(現在の会員数はおよそ4万人)。その上で、「日本消化器外科学会」「日 本小児外科学会」「日本乳癌学会」などの専門医を目指すことになりますが、いずれも学会認定施設で5年以上修練することが必要です。
そのほか、専門領域が決まらない人,近く開業を考えている人,国内留学や海外留学を希望する人,へき地医療や家庭医を目指す人,臨床腫瘍医になりたい人, 緩和ケアに従事したい人,内科に転向したい人など、さまざまな希望を受け入れられるように柔軟性をもって対応したいと思います。

専門医コース
  • 1~2年目 岐阜大学病院腫瘍外科あるいは学会指定施設・関連施設
  • 3~5年目 学会指定施設・関連施設
  • 6年目以降 日本外科学会専門医取得→各種領域専門医申請

1) 消化器外科専門医コース
腫瘍外科の診療体制は、上部消化管(食道・胃),下部消化管(大腸・肛門),肝胆膵外科の3グループに分かれています。後期臨床研修は1つのグループに3か月間所属し、全体で2回ローテーションして、指導医や専門医の指導を受けます。
1回目のローテーションでは、術前管理や術後管理などの患者管理が主体になりますが、2回目のローテーションでは、患者や家族への病状説明を主体的に行い、治療方針の決定にも積極的に参加するようになります。
標準的な手術は手技のレベルに応じて執刀医の経験ができるようにトレーニングします。内視鏡手術や腹腔鏡手術は、食道がん・胃がん・大腸がんにも導入しており、トレーニングボックスでの指導も行っています。

2) 乳腺外科専門医コース
将来、乳腺専門医を目指す医師のためのコースです。その内容は、まず、視触診などの診察手技,乳房超音波検査の実施と読影,マンモグラフィーの読影と判定,穿刺吸引細胞診の実施などを習得します。
つぎに、乳房温存手術や乳房切除手術の外科治療,ホルモン療法や化学療法の薬物療法,分子標的治療・放射線療法・凍結療法などの集学的治療に関して、専門医の指導を受けながら理解し実践します。
また、外来診療や病棟診療のほかに、自治体や企業が行っている乳癌検診に参画し,マンモグラフィーの読影をサポートします。したがって、検診マンモグラフィー読影認定医を取得することもできます。

大学院コース
  • 1年目 岐阜大学病院腫瘍外科あるいは学会指定施設・関連施設
  • 2年目 学会指定施設・関連施設
  • 3~6年目 大学院(1年目・2年目の入学可能,優秀論文は3年で修了可能)
  • 7年目~ 岐阜大学病院腫瘍外科あるいは学会指定施設・関連施設

その後、日本外科学会専門医取得→各種領域専門医申請
大学院に入学して単位を履修しながら研究に従事します。大学院の1年目や2年目は研究の基礎的な手法の習得や研究課題に関する資料の収集を行いながら、専門医の取得も考慮して、その領域のチームに加わり、手術や周術期管理に参加します。
大学院の3年目と4年目は診療業務がなく、実験やデータ収集および論文作成に専念します。論文を投稿して受理されれば,4年目の後半に学位審査を受けることになります。大学院を修了したあとは、国内留学や海外留学にも積極的に挑戦できます。

その他のコース

上記に示した「専門医コース」,「大学院コース」のほかに、各自のコンセプトやニーズに応じて用意できるコースです。以下のような大学病院内の診療科や診療部,岐阜県内の連携病院,東海地区の専門施設がありますが、全国の病院や施設も可能です。(例えば大学研修中に、同時に他施設への短期研修もご相談に応じます。)

  1. 心臓血管外科や呼吸器外科は高度先進外科
  2. 麻酔は麻酔科・疼痛治療科
  3. 救急医療や外傷外科は高次救命治療センター
  4. 内視鏡診断は光学診療部
  5. 放射線診断やIVRは放射線科
  6. 病理診断は病理部
  7. 小児外科は長良医療センター
  8. 緩和医療は岐阜中央病院
  9. がん診療は愛知県がんセンターや静岡がんセンター
おわりに

外科医は単なる「切り屋」ではありません。内視鏡や画像診断が正しく行え、適切な手術適応が判断出来なくてはなりません(内視鏡検査のトレーニングもあり)。経口摂取が出来ない人の栄養管理、周術期の輸液管理、さらには麻酔管理や救急処置などすべての範囲にわたるトレーニングを受けています。抗癌剤治療も必要です。確かに一人前になるのに時間はかかりますが、やりがいのある仕事だと確信しています。 君たちが心の中ではやりたいと思っていることではないですか? あなたは10年後どんな医師になっていますか?

※ ご相談は気軽に下記まで
〒501-1194 岐阜大学腫瘍外科
吉田和弘
058-230-6230
kyoshida@gifu-u.ac.jp


岐阜大学医学部附属病院 地域医療医学センター MEDC 内視鏡 東海キャリアPro