岐阜大学医学部附属病院がんセンター

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部門紹介

教育研修部門

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当院では、がん医療に携わる医療従事者を対象に、さまざまな教育研修活動を企画しています。高度ながん医療に関する研修会や、地域がん診療連携拠点病院で専門的ながん医療を行う医師・薬剤師・看護師等を対象とした研修会を実施しております。

 また、各種製薬会社主催のがんの講演会などにも後援として携わっております。これまで、がん医療総論から各種がんの各論まで幅広く企画してまいりましたが、今後はより実践的な内容を取り込んだ企画も検討しております。

多地点合同テレビカンファレンス

がん診療施設情報ネットワークの多地点テレビ会議システムを使用して、国立がん研究センター主催の全国のがん診療連携拠点病院とがん治療に関するカンファレンスに参加しています。岐阜県では、当院のみシステムが導入されており、当院発信、あるいは、多施設発信の演者として発表も行っています。院外の方も参加可能です。

がんの予防・禁煙

がん予防・早期発見に関する一般情報

がんは生活習慣病の一つであり、喫煙や食生活などの生活習慣ががん発症に関わるとされています。具体的にどのような生活習慣ががん予防に効果的かを明らかにするのは、動物や細胞を用いた実験でのがんの仕組みの解明では解決できず、人間集団を対象に各種のがんと個々の生活習慣との関連性を重視した疫学研究が必要となります。疫学研究から得られる知見は、がんの予防に容易に応用することができます。

岐阜大学では疫学・予防医学分野を中心に疫学研究が行われていますが、人間集団を対象とした研究である以上、実験というより観察に基づく知見によるものであり、一つの研究結果が結論とはなりえません。いくつかの疫学研究が行われたうえで、専門家グループがそれらの結果を吟味しまとめ、何らかの予防の指針を形成するという過程が必要となります。

この過程を経て既に国際的評価がなされWHOや国際がん研究所から情報が提供されていますが、最近は日本人におけるデータも蓄積され、日本人へのがん予防法も提唱されるようになりました。これらは、今後さらに研究が進むにつれ更新されるものですが、以下にこれに関連するいくつかのサイトを紹介します。

厚生労働省、がん検診

国立がんセンターがん対策情報センターがん情報サービス

岐阜県がん対策推進計画

岐阜大学大学院医学系研究科 疫学・予防医学分野

喫煙とがんについて

(1)タバコの煙には

タバコの煙に含まれる約4000種類の成分のうち、有害物質は200種類に上り、そのうち国際がん研究機関IARCによると69種類が発がん物質とされています。2002年にはヒトに対する発がん性が最新のデータに基づいて評価された結果、喫煙とタバコ煙は、最も強い「グループ1:ヒトに対して発がん性がある」と判定されています。

(2)喫煙と健康被害

喫煙は各種のがんをはじめとして狭心症、心筋梗塞、脳卒中、大血管と末梢血管疾患などの循環器の病気、肺炎、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器の病気、胃潰瘍、歯周病などの発症率を高めることが知られています。

(3)喫煙とがん

喫煙は肺がんのリスク因子であることはよく知られていますが、実は、その他の様々ながんの原因となります。喫煙はがんの原因の中で予防可能な最大の原因(世界保健機関:WHO)とされています。がんの予防のためにはたばこを吸わないことが最も重要ですし、現在喫煙している人も禁煙すると、がんの発症、進行、がんによる死亡の危険性を下げることができます。

日本の研究(Journal of Epidemiology, 18: 251-264, 2008)では、喫煙者ががんで死亡するリスクは、吸わない人に比べて男性で2倍、女性で1.6倍であることが報告されています。男性では特に喉頭がん、膀胱・腎盂・尿管がん、肺がんで約5倍とたいへん高く、女性では肺がんで4倍、子宮頸がん、口唇・口腔・咽頭がんで2倍以上と高くなっています。男性の肺がん、喉頭がん、膀胱・腎盂・尿管がんでは約70%、女性では肺がんの20%は喫煙が原因とされています。 禁煙する期間が長くなるほどリスクが低くなります。禁煙する年齢が若いほど禁煙の効果は大きくなり、何歳で禁煙をしてもリスクは下がります。

(4)治療の面から重要なこと 「手術、化学療法、放射線療法」

喫煙は手術中・手術後の循環器系・呼吸器系の合併症を増やし、創の感染・創傷治癒障害を増やします。手術の可能性のある時、手術が決まったら、治療を良好に行うためにすぐ禁煙に踏み切ることが重要です。 手術をせずに放射線治療や化学療法(抗がん剤による治療)を受けたり、手術の前後にこれらを受ける場合もあります。喫煙は、抗がん剤と相互作用をおこし化学療法の治療成績を悪くしたり、放射線療法の効果を減弱する可能性があります。いずれの治療を受ける場合も、できるだけ早く禁煙するほど禁煙の効果があります。手術の前12時間の禁煙でもニコチンや一酸化炭素が体内から減少するため心肺機能の面から効果があります。治療を機会に禁煙すると、その後の治療上有益であるだけでなく、治療終了後の他の喫煙関連疾患を防ぐ意味でも重要です。

(5)新型タバコ

最近、体に害を与えないタバコとして新型タバコが普及してきています。新型タバコは以下の2種類に分けられます。電子タバコとよく言われていますが、ほとんどは1の加熱式タバコのことです。

1. 加熱式タバコ heat-not-burn tobacco (商品名:iQOS、glo、ploom TECH)
2. 電子タバコ E-cigarettes (日本で発売されているものにはニコチンは含まれていない)

加熱式タバコは普通のタバコと同様にニコチンを始め様々な有害物質を含んでおり、発がん物質も含まれています。宣伝されているような『健康被害を減少させる』という効果は推測に過ぎず、未だに証明はされていません。

(6)受動喫煙

タバコを吸う本人だけでなく、吸わないまわりの人にも肺がん、副鼻腔がんなどの健康被害を引き起こすため、周囲の人の受動喫煙を防ぐことも重要なことです。新型タバコは煙が出ないため、受動喫煙もないと思われがちですが、煙が目に見えないだけで、大量のエアロゾルが排出されています。このエアロゾルの中にはタバコの煙と同様の有害物質が含まれています。

(7)上手に禁煙するには 「禁煙外来での治療が有効」

ニコチンには依存性があり、吸収が速く、体内から消失するのも速いため、喫煙する人は喫煙後30分程度でニコチン切れ症状を生じ「次の1本」がほしくなってしまいます。これは「ニコチン依存症」という病気であり、禁煙するのが困難である理由です。ニコチン代替療法(ニコチンパッチやニコチンガム)やニコチンを含まない飲み薬(バレニクリン)を使い、カウンセリングを併用して禁煙する方法が医学的に有用であるため、現在一定の条件を満たす人に対して、12週間の禁煙保険診療がみとめられています。

【1】ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と診断された者
【2】1日の喫煙本数×喫煙年数(ブリンクマン指数)が200以上の者
【3】直ちに禁煙することを希望していること。
【4】「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療を受けることを文書により同意していること。

など保険診療の条件があり、全員が必ずしも保険診療の対象になるとは限りませんが、12週間にわたり、医師や看護師の支援を受けると禁煙成功率は格段に高くなります。
また、当院では禁煙治療のための禁煙専門外来を開設(木曜日)していますので、ぜひ御利用ください。

当院の禁煙外来についてはこちら