岐阜大学医学部附属病院がんセンター

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がん治療について

大腸がん

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大腸がんとは

大腸がんは年々増加傾向にあり、高齢化社会に伴うこともあり2015年のがん統計予測(全国がん罹患モニタリング集計の癌罹患率数)における罹患率では男女を合わせると大腸、肺、胃、前立腺、乳房の順であり1位となった。女性では乳房に次いで2位であり、男性では4位です。大腸がんは大腸粘膜から発生します。発生の経路には2つの経路があると考えられています。1つは良性のポリープ(腺腫)が癌になる経路です。2つ目は正常大腸粘膜が直接癌を発生する経路です。大腸がんの発生には環境的因子、つまり、食生活の欧米化つまり動物性脂肪や蛋白質の摂取量増加が日本における大腸がんの増加の原因ではないかと言われています。最近注目されているメタボリックシンドロームとの関連も疑われています。しかし、遺伝的素因が関与する大腸がんも存在します。

大腸は解剖学的に結腸と直腸に分けられ、結腸はさらに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。また直腸はさらに直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分けられます。がんが存在する部位によって病名が異なってきます。

 関連リンク:日本癌治療学会
大腸の区分の写真
大腸の区分

症状

早期のがんには症状はまずありません。進行するとがんの表面が潰瘍で出血しやすくなり、便に血が混じっている、つまり血便を認めます。とくに肛門に近い部位にがんができた場合排便の際に肛門から出血する場合もあります。この症状は痔核と思い、放置されることがありますので注意が必要です。腸管内腔が狭くなることによる便秘や下痢を繰り返したり、排便回数が増加したり、残便感が常にあり、便が細くなったなど排便状況が変化したと気づかれる場合があります。右側の結腸がんでは肉眼的な血便に気づかず慢性的な出血による貧血によって発見される場合もあります。嘔吐、腹痛などの腸閉塞症状がはじめての症状であったり、腹部のしこり(腫瘤)を認める場合もあります。このように大腸癌の発生部位により症状が若干異なります。

検査・診断

検診法

便潜血反応

一般の検診で最も行われている検査です。2日間の便を採取して便の中に混じった血液を検出する検査方法です。1回でも陽性であれば大腸内視鏡検査を行い、病気の有無を調べます。10、000人検査をすると早期がんの患者さんが5人、進行がんの患者さんが5人程度発見され、50人くらいの大腸ポリープの患者さんが発見されると言われています。

公開講座
残念ながら岐阜県の検診率は低く、特に岐阜市内における検診率などを高くするため市民公開講座など県民に普及すように努力しています。
公開講座
公開講座
350名を超す多くの方が参加されました。
日本癌治療学会 市民公開講座 (2016年7月31日長良川国際会議場)

診断法

①大腸内視鏡検査

下剤、浣腸の処置により大腸をきれいにしてから肛門から内視鏡を挿入して大腸内腔を観察します。大腸の粘膜面を観察することによりポリープや癌を直接観察します。通常前日の夜に下剤を内服し、当日は朝から2リットル前後の腸管洗浄剤を飲んで、便をすべて出し切ってから検査を受けます。比較的小さな病変、早期のがんも見逃さずに診断することができます。精度の高い診断方法です。色素をまいたり、特殊光(NBIなど)で表面を拡大内視鏡で観察したり、超音波も同時に行うこと(EUS:超音波内視鏡検査)により精度の高い診断を行うことが可能です。癌の疑いのある病変から細胞を採取し、診断することができます。また同時にポリープや早期癌を切除することもできます。

大腸の区分の写真
②注腸造影検査

食事制限と下剤の処置により大腸をきれいにして、肛門からX線に写る液体(バリウムなど)と空気を大腸全体に送り込んでレントゲン写真をとります。大腸の壁を写し出し、癌の位置、大きさ、深達度(がんの浸潤の深さ)を評価します。

注腸造影検査
③腫瘍マーカー

血液の検査の一種でCEA、 CA19-9があります。血液を採取することで、がんの進行程度、治療効果を測定する方法です。特にCEAと呼ばれるマーカーが大腸がんには陽性率が高いです。残念ながら大腸癌の患者さんすべての人に陽性となるわけではありません。また、進行がんでないと上昇しないため、早期がんの発見には有効でありません。

④CT(コンピューター断層写真)、MRI(核磁気共鳴画像)、US(超音波診断)

大腸自体のがんの診断には大腸内視鏡検査、注腸造影検査には及びませんがこれらの検査は治療方針を決定するための検査です。大腸癌の周囲臓器への浸潤具合やリンパ節転移、肝転移、肺転移の有無を検索するための治療にとっては不可欠な検査です。また、最近では高性能なCTで仮想の内視鏡検査、仮想の注腸造影検査を行うCTコロノグラフィー(CTC)という新しい検査が可能になっています。

CT
術前CTによって血管走行を確認し、術前シュミレーションが可能になっています。リンパ節郭清を含めてより安全で精緻な手術を可能とします。
CT
大腸内視鏡検査と同様に低侵襲な CT Colonographyが当院でも積極的に行われています。
CT
下部直腸癌などは骨盤リンパ節(側方転移)転移することがあり、MRI検査をすることで術前の転移の有無を正確に評価することが可能にします。
⑤PET-CT

最近では大腸癌の病期診断に用いて遠隔転移状況を把握します。 転移・再発大腸癌に対し抗がん剤治療を行った後の治療効果判定にも用いています。

CT
CTにおいて確定診断できなかった腹膜播種再発などPET-CTで集積され確定診断に至ることもあります。

病期

大腸癌は上記の如く大腸の粘膜に発生し、拡がっていきます。転移とは最初に癌が発生したところから異なる場所に移って、増大していきます。大腸癌の拡がりには浸潤、リンパ行性転移、血行性転移、腹膜播種があります。浸潤とは大腸癌が腸の壁を破って大きくなり、周囲の臓器に拡がっていくことです。リンパ行性転移はリンパ管に侵入した癌細胞は、リンパ節に流れ着いて増殖します。血行性転移とは癌が腸の壁の中にある静脈に侵入し、他臓器に流れ着き増殖することです。大腸の血液は上腸間膜静脈や下腸間膜静脈から門脈に流入するため肝臓に集まることから肝転移の割合が高く、さらに肺に転移します。他に骨や脳にも転移します。播種性転移は増大した癌は腸の壁を突き破って腹膜に顔をだします。腹腔内にばらまかれた癌細胞は腹腔内に拡がり癌性腹膜炎となります。

進行度については大腸がん取扱い規約に従って分類されます。0、 I、 II、 IIIa、 IIIb、 IV期の順で進行した状況となります。 0期はごく早期のがん(粘膜内がん)です。I期はリンパ節に転移がなく腸管壁への浸潤も固有筋層(腸管壁内)にとどまる状態です。 II期はリンパ節に転移がないが腸管壁への浸潤が深い(固有筋層を貫く)状態です。さらにリンパ節転移がある場合III期となり、リンパ節転移個数が3個以下のIIIa期と、リンパ節転移個数が4個以上、あるいは主リンパ節と大腸壁から少し離れたリンパ節に転移している場合IIIb期とに分類され、進行していることになります。さらに肝や肺などの血行性転移や遠隔のリンパ節に転移している場合、IV期となります。

大腸がんの広がり方の写真
大腸がんの広がり方
ステージ分類の写真
ステージ分類

治療

大腸癌研究会より大腸癌治療ガイドライン2014年版が出版され、主にこれに準じて治療がされています。これに基づきまして治療について説明します。

治療法には内視鏡治療、手術治療、化学療法、放射線治療があります。

①内視鏡治療

大腸内視鏡を用いて大腸のポリープや癌を切除することが内視鏡治療です。ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、 最近ではこれまででは内視鏡的に切除できなかった大きな早期大腸がんに対し、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われるようになってきています。腸管を切除せずに治療することが可能になります。偶発症(治療に伴う合併症)としては、術後の出血や穿孔があります。

内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)の写真
内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
内視鏡的粘膜切除術(EMR)の写真
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
早期大腸がんの内視鏡粘膜下層剥離術(ESD)の写真
早期大腸がんの内視鏡粘膜下層剥離術(ESD)
平坦型の大きさ55mmの早期大腸がんのESDの写真
平坦型の大きさ55mmの早期大腸がんのESD

②手術治療

手術治療では癌のある腸管とリンパ節を切除します。リンパ節を切除する範囲(リンパ節郭清)は大腸癌の局在とステージにより決定されます。癌が周囲臓器に浸潤していた場合はその臓器を一緒に切除します。腸管を切除した後、残った腸管をつなぎ合わせます。これを吻合と言います。直腸癌が肛門近くにあり、吻合ができない場合には人工肛門になることがあります。

がん治療においてはリンパ節郭清が重要です。

リンパ節郭清(D1、D2、D3郭清)
D1郭清:腸管の近くにあるリンパ節を切除します。
D2郭清:癌のある腸管を栄養する血管に沿うリンパ節も切除します。
D3郭清:癌の栄養血管の根元(中枢)にあるリンパ節も切除します。

A)結腸癌の手術

癌から10cmはなれた部位で腸管を切ります。腸管を切除した後腸管をつなぎます(吻合)。 手術名は切除された腸管によって決まります。

  • 回盲部切除術 ・結腸右半切除術
  • 横行結腸切除術 ・結腸左半切除術
  • S状結腸切除術

リンパ
リンパ節郭清(D1、D2、D3郭清)

B)直腸癌の手術
  • 直腸局所切除術
    早期癌の場合、癌を肛門から切除する方法です(経肛門的切除術)。さらには最近では経肛門的内視鏡下切除術(TEM:transanal endscopic microsurgery)などが行われるようになりました。リンパ節郭清は行いません。
  • 前方切除術
    直腸切除後腸管を吻合します。通常、器械を用いて吻合します。
  • 直腸切断術
    癌が肛門近くにある場合で、癌を摘出後永久的人工肛門になります。また、進行下部直腸癌の場合、術前化学放射線治療を行った後に根治手術を行ったり、側方リンパ節郭清を当院では積極的に行っています。
  • 内括約筋切除術
    進行度には限定されてはいますが、肛門を温存する内括約筋切除術も行っています。なおこの場合には肛門機能が回復するまで一時的な人工肛門を作成することが多いです。
ステージ0からステージⅢの大腸がんの治療方針の写真
岐阜県内においては最も多い症例数を誇っており、全国的に認知されています。この高難度手術も腹腔鏡で行っています。
大腸癌治療ガイドラインより 内肛門括約筋切除術(ISR) (図4)Br J Surg 1994;81:1376–8
腹腔鏡手術

近年、進歩した手術方法です。炭酸ガスで腹部を膨らませて腹腔鏡でお腹の中を観察しながら数カ所の小さな創から器具(鉗子)を入れて手術を行います。早期の大腸癌に施行されていましたが、最近では進行癌にも適応が拡大してきています。当院では積極的にこの手術方法を用いて、傷が小さく、患者さんにとって、より体に負担の少ない方法(低侵襲)でできるかぎり手術を行いたいと考えています。

さらに最近では早期癌さらに良性疾患において単孔式腹腔鏡手術も行っており、整容性の面で利点があります。

腹腔鏡手術
特に直腸癌においては骨盤の深部まで腹腔鏡で拡大視できるため、より精緻な手術ができます。
ステージ0からステージⅢの大腸がんの治療方針の写真

大腸がんの根治手術については、根治性を最優先した拡大手術、術後の機能障害を少なくすることに重点を置いた機能温存手術、患者さんの手術負担をできるだけ抑えた縮小手術を行っていますが、がんの進行度と患者さんの全身状態などを考慮して、消化器内科医と相談しながら個々の患者さんにとって最も良いと考えられる手術をお勧めするようにしています。

排便障害(排便障害)

便失禁において現在いろいろな治療が行われています。生活習慣の改善、薬剤治療、骨盤底筋体操、バイオフィードバックなど行いそれでも改善の見込みがないような患者さんにおいて仙骨神経刺激療法(SNM)を行っています。直腸がんの手術を行った患者さんにおいても効果があるとされており、積極的に行っています。岐阜県では唯一の施設であり排便障害(便失禁)が術後も継続している患者さんにおいて適応をしっかり見極めて治療しています。

脳深部刺激、脊髄刺激、仙骨刺激療法の3領域をすべて網羅して治療できるのは、全国2施設のみで大学病院は唯一の施設です。

ステージ0からステージⅢの大腸がんの治療方針の写真
ステージ0からステージⅢの大腸がんの治療方針

結腸では内視鏡的治療が困難な大きなポリープや,浸潤傾向の少ない早期がんに対して上記の腹腔鏡下手術を積極的に行い,少ない浸襲で手術が受けられるように努力をしています。


直腸の周りには膀胱の機能(排尿)や性機能を司っている神経があります。直腸がんが周りへの浸潤があり、癌を根治させるためにやむなくこれらの神経を切除された場合は尿がでにくくなったり、性機能に障害がおこったりすることがありますが、神経への浸潤がない場合にはできるだけ残す(自律神経温存手術)ようにしています。また最近ではISR(内括約筋切除)といった究極の肛門温存術に取り組み、癌の根治性を損なうことなく、永久的人工肛門を避ける努力をしています。

③化学療法(抗癌剤療法)

癌に作用する薬を抗癌剤といい、癌細胞を死滅させたり、癌が大きくなることを抑える作用を持っています。抗癌剤には注射や内服薬があります。

化学療法の目的には2つあります。

(A)根治術後に再発を予防する(術後補助化学療法)
(B)切除不能な癌に対する全身化学療法を行い、生存期間を延長させる

(A)手術的に治癒切除ができた場合もリンパ節転移が認められる場合(III期)やII期のハイリスク群(脈管侵襲陽性例、他臓器浸潤例、低分化腺癌または未分化癌など)は完治する割合が低下するので補助療法という抗がん剤治療を加えています。大腸がんにたいしてはフッ化ピリミジン(5Fuが代表的薬剤)を中心とした薬剤が使用されます。また、5-FUの抗腫瘍効果を高めるロイコボリンを使用することがあります。

  • 5FU+LV(RPMI)
  • UFT+LV
  • Cape (ゼローダ)
  • (TS-1)

これらに加えて、今まで切除不能例に使用されてきたFOLFOX、 あるいはXELOX(SOX)を使用することもあります。特に再発危険群と考えられる場合、これらを使用することが増えています。


(B)切除不能転移・再発に対する化学療法
ここ5年で治療方法が進歩し、生存期間も延長しています。

  • FOLFOX (フルオロウラシル+レボホリナート+オキサリプラチン)/XELOX(ゼローダ+オキサリプラチン)/SOX(TS1+オキサリプラチン)
  • FOLFIRI(フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン)

最近では上記に分子標的薬を加えることが標準になってきています。抗VEGF抗体薬(血管内皮細胞増殖因子に対するモノクローナル抗体)bevacizumab(商品名:アバスチン)や抗EGFR抗体薬(上皮成長因子受容体に対するモノクローナル抗体)であるcetuximab(商品名:アービタックス)やpanitumumab(商品名:ベクティビックス)を使用し、更に治療成績が向上しています。最近、抗EGFR抗体薬は一般的にRAS野生型の患者さんにしか使用できないと言われています。


現在さらに経口マルチキナーゼ阻害剤であるregorafenib(商品名:スチバーガ)やトリフルジン、チピラシル:TAS102(商品名:ロンサーフ)も使用することができるため益々の生存延長が期待できます。

肝転移、肺転移、あるいは他臓器浸潤局所進行癌に対して上記の抗がん剤治療を積極的に行うことにより、腫瘍が縮小し、根治術可能となり、転移巣切除後長期間無再発生存中の患者さんもみえます。

CT
CT
現在切除不能・再発大腸癌においては多くの抗癌剤が認可され、以前に比べて予後は著明に延長しています。

④放射線治療

放射線には細胞の中にあるDNAを傷つける作用があります。

放射線療法は癌細胞のDNAを傷つけて癌細胞を死なせます。

放射線治療は手術療法と同様に、局所療法です。


放射線療法の目的には2つあります。

手術にて取り切れる直腸癌に対し局所再発を抑えたり、人工肛門を避けること。(術前補助放射線療法)
再発した大腸癌による症状を和らげること。

【具体的ステージ別の大腸癌治療】

A)早期がん

早期がんの定義はがんの深達度(深さ)が粘膜、粘膜下層にとどまるものとされています。前述の進行度(stage)では0期全て、I期の一部(固有筋層浸潤がんを除く)となります。早期がんの治療法もそのがんの深達度によりさらに細分類されます。

a)粘膜内がん(mがん)

粘膜内がん(mがん)と診断したら内視鏡切除、あるいは肛門に近い場合は経肛門的局所切除をまず試みます。もちろん2cmを超えたり、内視鏡治療が困難な技術的に困難な場合は手術で治療をします。術前通りの深さであり取り残しがない時にはリンパ節転移もこれまで報告されたことはないのでこれで十分な治療と考えられ追加の治療はありません。

b)粘膜下層浸潤がん(smがん)

粘膜下層軽度浸潤がんの場合も内視鏡切除でよいとされていますが、それ以上深く浸潤している場合はsmがんはリンパ節転移の可能性がでてきます。従って追加治療としてリンパ節郭清を伴う手術を行います。この場合、できるだけ低侵襲手術である腹腔鏡下手術を行うことが多いです。

B)進行がん

a)I期の一部(固有筋層浸潤がん)、II~III期

結腸がんと直腸がんでは治療方針が同じ大腸がんでも変わってきます。がん自体の性格は同じと考えられますが直腸の占居する部位の特殊性(骨盤の中で手術がしにくく、周りに膀胱や性器官などの大事な臓器が直腸に接して存在し自律神経が近傍に存在)やその機能に排便機能に大切な役割があるからです。一方、結腸も直腸も進行がんに対する手術療法の基本は過不足のない安全域を確保した腸管の切除と過不足のない領域リンパ節の郭清を行います(上記記載)。
当院では進行癌であっても、腹腔鏡手術は低侵襲であるばかりでなく、拡大視効果で精緻な手術が可能と考えているため、腹腔鏡手術例が増加しています。
基本的にD3リンパ節郭清と言いまして大きめにリンパ節を郭清することが一般的です。取り切ったリンパ節に癌の転移が確認されると再発予防のため術後補助化学療法として上述の化学療法を行います。経口抗がん剤か、あるいはFOLFOX/XELOXを用いるかは、患者さんの状態や再発危険度を考慮し、最終的には患者さんや御家族との相談にて選択をしています。

b)IV期
癌がすでに大腸から遠く離れた場所に転移している場合をステージIVといいます。
手術的な摘出が予後の改善に最も効果があると考えられているので原発巣の摘出そして可能なかぎりの転移巣の摘出ができないか検討します。

CT

上記のように特に肝転移の場合には積極的に腫瘍縮小を期待し、外科的手術で完治を目指す治療を積極的に行っています。

転移巣は取り切れないが大腸癌が原因で出血、穿孔、腸閉塞などの危険性があれば大腸癌のみを取り除く手術をします。その際に閉塞症例などは大腸ステントを術前に挿入し、人工肛門造設を回避し1期的に腫瘍切除を行っています。また切除不能・再発大腸がんにおいてもステント治療で減圧し開腹手術することなく食事摂取が可能になります。

CT

下記の如く、最近では全身化学療法(抗がん剤治療)が進歩してきましたので、無理な拡大手術は避けて(根治が臨めない時)、患者さんのQOLを考慮し、残った転移巣には化学療法や放射線療法を行います。

大腸がんの治療の写真
岐阜大学の大腸がん治療

これらは大腸癌研究会が発表した大腸癌治療ガイドラインを参考にしています。

また全国トップレベルの臨床試験参加施設であり、多くの新しい治療に貢献し日本からの新たなエビデンス発信に貢献しています。今後も国際学会・誌上発表などで新たなエビデンスを岐阜から発信していきます。また多くの治験にも参加しており承認前の新規抗癌剤治療なども受けることができます。