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肝疾患について

B型慢性肝炎

B型肝炎ウイルス(HBV)は、カプセルを被ったDNAウイルスで、ヘパドナウイルス hepadnavirus に属します。
血液・体液を介して感染し、感染した年齢や宿主の免疫状態によって、一過性感染に終わって治癒する場合と感染が持続する場合に分かれます。

3歳以下の乳幼児期に感染すると高率に持続感染が成立し、わが国のHBVキャリアの大部分は、HBV陽性の母親から出産時に産道感染したものです(垂直感染)。
HBVにはいくつかのサブタイプが知られており、日本人の大部分はジェノタイプBとCに分類されます。一方、健常成人が感染した場合は、ほとんどが一過性感染で治癒し、ウイルスの消失と終生免疫が成立します。
近年、ジェノタイプA型の外来種の感染による急性肝炎が増加しており、ジェノタイプAの成人感染では、ジェノタイプB、Cと異なり、20~30%の割合で慢性化するとの報告もあり、注意が必要です。また、免疫抑制剤や抗がん剤などの治療を受けている免疫不全状態の患者においては、持続感染が起こることがあります。

臨床症状

慢性肝炎はしばしば無症状のまま経過し、血液検査でのみ異常がみられることも少なくありません。
C型肝炎と比較すると、患者ごとに経過はさまざまで多様性があり、また同一の患者においても、時期により肝障害の程度に変動がみられます。無症状で経過していた患者でも、突然、HBV DNAの激しい再燃が起こり、劇症肝炎を来すこともあります。

幼少期は肝機能正常で、HBe抗原陽性の無症候性キャリアとして経過しますが、成長するに伴いHBV免疫応答が成立し、肝炎が発症します。その後、HBe抗原陽性からHBe抗体陽性へとセロコンバージョンが起こり、肝炎が沈静化します。年率10~15%でセロコンバージョンが起こり、多く(70%)は、成人になるまでにHBe抗体陽性の無症候性キャリアに移行します。
無症候性キャリアは、そのほとんどにおいて、病状の進行はみられず、肝硬変や肝細胞がんへの進展はみられません。一方、HBe抗原陽性またはHBe抗原陰性だがHBV DNA量の多い患者の中には、肝機能障害が持続し、肝硬変へと進行するものがみられます。

診断

診断は、HBs抗原でスクリーニングされます。病態の経過においては、HBe抗原、HBe抗体、HBV DNAの測定が必要です。HBe抗原・HBe抗体測定系では、単に陰性、陽性だけをみるのではなく、HBe抗体のカットオフ値を知ることが有用です。
HBV持続感染者からの急性増悪時にもIgM HBc抗体が陽性になることがあるので、B型急性肝炎との鑑別において注意を要します。

治療

現在の治療法では、完全にウイルスを消失させることはできないため、ウイルス増殖の低下と肝炎の鎮静化を誘導し、病態の進展と発癌の抑制を目的とした治療が行われています。
若年者では、しばしば自然経過でのHBeセロコンバージョンが期待でき、肝炎の鎮静化がみられるため、患者の状況によりインターフェロンを含めた治療法が選択されますが、35歳以上ではインターフェロン治療効果が低いため、核酸アナログ製剤の投与が推奨されます。インターフェロンや核酸アナログ製剤の治療には、国・県からの助成があります。

抗ウイルス療法
  1. インターフェロン
    HBe抗原陽性患者を対象に24~48週間の治療が行われています。PEG化インターフェロン製剤は、HBe抗原の有無にかかわりなくB型慢性活動性肝炎に対し保険適応になっています。海外からは、インターフェロン投与群でHBe抗原陰性化は33%(対照群12%)、HBV DNA陰性化は37%(対照群17%)との報告がみられます。うつ病、間質性肺炎、糖尿病、甲状腺疾患、網膜症、自己免疫性疾患などの副作用には注意を要します。
  2. 核酸アナログ製剤
    HBVの複製過程における逆転写を阻害することで効果を発揮し、わが国では、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テノホビルの4剤が使用可能です。インターフェロンと比較して、副作用が少なく、外来での内服開始が容易です。投与後より、良好なHBV DNA量の低下とそれに伴うALTの低下がみられます。
    しかし、投与を中止すると、高率に再燃がみられ、安全な中止基準のコンセンサンスはなお検討中です。また、耐性ウイルスの出現がみられ、時にブレークスルー肝炎が生じることがあり、注意を要します。
    ラミブジンに比較して、エンテカビルは耐性ウイルスの出現が低頻度です。胎児への影響(催奇形性)が危惧されており、若年患者への投与は慎重に行う必要があります。
肝庇護療法

ALTの低下を目的に、強力ミノファーゲンC、ウルソデオキシコール酸などが投与されます。


 
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