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腎移植外科


腎移植外科 科長 教授 出口 隆
Deguchi Takashi
腎臓は体液のバランスを一定にするために、尿という形で老廃物 ( 尿毒素 ) を排泄したり、水分を排泄したりしています。その他、ある種のホルモンやビタミンを産生しています 。 腎臓の働きが低下してきた状態のことを腎不全といい、尿毒素が体内に蓄積し吐気、食欲不振、易疲労感等の症状ができてきたり、水分を体外に排泄することが出来ずむくみや血圧上昇を来たしたり、貧血が出現したりしてきます。 腎不全に対する治療は透析療法(血液透析・腹膜透析)と腎移植があります。しかし、透析療法では腎不全の状態を治癒することはできず、唯一の根本的な治療は腎移植とされています。腎移植外科では、岐阜県内の唯一の施設として腎臓移植を行っております。腎臓移植には亡くなられた方からの腎提供による献腎移植(死体腎移植)と、ご家族からの提供による生体腎移植があります。

主な疾患

献腎移植

現在、国内では年間150例前後の献腎移植が行われております。岐阜県では日本臓器移植ネットワークが発足した1995年から現在までに11名のドナーが発生し18名の方が献腎移植を受けられております。ネットワーク発足後の移植患者さん18名のうち1名のみ透析再導入となりましたが、その他の方は現在も腎臓は生着して元気に生活しておられます。

生体腎移植術

臓器提供が絶対的に少ない現在、献腎移植を希望されても移植を受けられる可能性が低く、また待機期間が長期となるため、ご家族の善意による無償の腎提供での生体腎臓移植が多く行われております。現在、国内では年間700例以上の生体腎移植が行われております。当科でも年間10名程度の患者さんが生体腎移植を受けられております。

ABO 不適合腎移植

今でも血液型が合わないと移植が出来ないと思っている方が多いのですが、現在では手術の前に血漿交換を行い、拒絶反応の原因となるリンパ球の巣である脾臓を摘出することにより腎臓が拒絶されず生着させることが可能となりました。 当院では、2002年よりABO血液型不適合移植も行っており現在までに7名の患者さんが血液型不適合移植を受けられており、全ての症例で良好な腎機能で生着しております。現在ではABO血液型不適合であっても血液型適合の症例と同等の成績が得られるようになっていると考えております。

夫婦間移植

以前は白血球の血液型であるHLAの適合度を重視して移植が行われており、非血縁者である夫婦間での移植はあまり積極的には行われておりませんでした。しかし、現在では免疫抑制剤の進歩などによりHLAの適合度により移植成績の差はほとんど無くなってきており、以前に比べてより積極的に夫婦間移植が行われるようになってきました。当科でも、そして全国的にも生体腎移植症例の約20%が夫婦間移植にまで増加しています。

提供者に関して

実際に腎臓を提供できる方は親族の方で 6 親等以内の血族、3親等以内の姻族(具体的には父、母、子供、兄弟姉妹、祖父母、おじおば、夫、妻など)に限定しています。また、提供者の年齢に関しても特に基準は設けておりませんが、70歳代の方でも健康な方であれば提供は可能です。また手術前に腎機能を十分に評価し適応を判断しており、実際に腎提供を行い腎臓が1つとなっても生活する上での制限はありません。提供者の入院期間は2週間程度です。また提供者の手術代を含めた治療費は移植を受けた方の保険(特定疾病療養制度などの公的扶助により殆ど自己負担はありません)に請求されるため、基本的に無料です。

腎移植の成績
しばらく前には移植後15年で生着率が50%と言われておりましたが、最近の症例では50%の患者さんが20年以上生着するであろうというデータが出ております。当科での最近5年間の腎移植患者43名中、再発性腎炎のため1名が透析再導入となっておりますが、それ以外の方は全例生着しており、また生存率は 100% です。

診療日等



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