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血液内科

科長 臨床教授 鶴見 寿
Tsurumi Hisashi
血液細胞は、赤血球、白血球、血小板から構成されています。赤血球は肺で取り入れられた酸素を全身に運搬する役割を担い、白血球は身体を病原微生物から守る役割を担っています。血小板は止血を担当しています。血液疾患(造血器疾患)は、血液細胞の数や働きの異常を伴う病気であり、貧血や発熱、出血などの症状が現れることが多いです。血液細胞は骨髄で作られるため、血液内科は、血液細胞と骨髄の病気を診断、治療する科と言えます。一方、感染症内科は、さまざまな病原微生物による感染症の治療や予防を担当してます。特に近年本邦でも増加傾向のある後天性免疫不全症候群(エイズ)は、 HIV というウイルスが原因となる病気ですが、当科にて診療を担当させて頂いております。

主な疾患

白血病

白血病は、血液細胞の悪性腫瘍です。主として骨髄で増殖する血液細胞の内、白血球あるいは白血球の前駆細胞が異常に増殖する病気です。若い方から年配の方まで誰にでも発症しうる病気です。発熱、出血を伴って発症することが多いですが、初期には無症状のこともあります。白血病は、増加する異常白血球の種類によりさまざまなタイプに分かれますが、多くは化学療法の対象になります。近年、化学療法あるいは造血幹細胞移植が進歩して、白血病も治りうる病気になってきました。適切な診断と治療により完治を目指します。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、白血球の一種のリンパ球あるいはリンパ組織の悪性腫瘍です。多くはリンパ節が腫れるといった症状で発症しますが、リンパ節のみならず、リンパ節以外を含めて全身どこからでも発症します。病変がある場所によって症状はさまざまですが、治療は化学療法が中心となります。一部に、放射線療法や造血幹細胞移植も追加されます。近年、悪性リンパ腫の治療は著しく進歩し、白血病同様に治りうる病気ですので、適切な診断と治療により完治を目指します。

特発性血小板減少性紫斑病

止血を担当する血小板が何らの原因により早期に壊され、血小板減少状態に陥り出血しやすくなる病気です。成人の本疾患は慢性の経過を辿るものが多いですが、血小板が少ないからといって全例が出血するわけではありません。治療はステロイドホルモンが多く用いられ、時に脾臓を摘出する手術が行われることもありますが、血小板数が少ないながらも安定している場合や出血症状が軽微の時は、治療を要しないこともあります。適切な診断のもと個々の状態に応じて治療方針を決定します。

後天性免疫不全症候群

HIVというウイルスに感染すると白血球の一種であるCD4リンパ球と呼ばれる免疫担当細胞が壊れます。CD4リンパ球があるレベル以下になると身体の抵抗力が低下し、さまざまな感染症に罹患するようになります(日和見感染)。近年、すぐれた治療薬が使用可能になり、ウイルスの減少とCD4リンパ球の回復が得られ、通常の社会生活をおくることができるようになりました。すなわち、すでに慢性病の一種として捉えられるようになりました。むやみに怖がる病気ではありません。病気に対する適切な理解を促し、生活指導を含めた治療を行います。

その他、代表的な血液疾患
多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血、血友病など。

当科における特徴

急性白血病

若年者を対象とする通常の強力化学療法以外に、強力化学療法の適応になりにくい様々な合併症を有する全身状態不良の高齢者に対しては、少量の抗癌剤を時間をかけて投与する治療を行っております。この治療は副作用が軽微な比較的安全な治療です。この治療により、完全寛解に導入し、かつ全身状態の改善が得られれば、可能な限り通常の治療に移行するという工夫をしております。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、治療前の状態によって治療のしやすさが異なります。治療前に予後を推定するために予後因子を評価し、より強力な治療の導入が必要か否かの層別化を行います。われわれは、さまざまな予後因子を抽出、より適切な層別化に向けて工夫をしております。

造血幹細胞移植術(HSCT)

HSCTは、自分の細胞を用いる自己造血幹細胞移植、非自己の細胞を用いる同種造血幹細胞移植があります。自己造血幹移植は、通常自己末梢血管細胞移植(Auto PBSCT)を行い、同種移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植を行っております。これらの移植は、通常は骨髄破壊的治療という前処置の上に行いますが、近年、移植前処置を緩和し、移植細胞による免疫学的効果を期待するミニ移植なども行っております。


≪造血幹細胞移植件数≫

  自家末梢血幹細胞移植 同種骨髄移植 同種末梢血幹細胞移植 臍帯血移植
H19 7 1 0 2
H20 3 2 1 6
H21 3 0 1 7
H22 3 2 1 7
H23 4 3 0 10
H24 7 6 1 3
いずれの治療も、標準的治療と呼ばれる治療とは異なる場合には、当院医学倫理審査委員会の承認を受け、患者さんからの同意を得たうえで行っております。

診療日等



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