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総合内科

科長 教授 森田浩之
Morita Hiroyuki

近年の医療は高度化し、臨床医学における医師の専門化、細分化には著しいものがあります。特に大学病院においてその傾向は強く、それぞれ臓器別に専門分野を持ち、優れた技術や知識の修得をしています。しかし、現実に病院を訪れる患者さんの多くは複数の疾患を抱えていますから、各分野の専門医師は連携して適切な診断や治療を施さなくてはなりません。そこで、初期臨床医学として患者さんの訴えに対応でき、的確に診断を行う必要があります。
現在、当科では、高血圧、高脂血症、糖尿病、膠原病、狭心症、脳梗塞などの脳血管障害、胃潰瘍、骨粗鬆症、気管支喘息、関節リウマチ、頭痛、パーキンソン病、うつ病などを複雑に合併している患者さんの治療に関わり、これらの複雑な疾病群の診断・治療を効率的・科学的に実践しています。

主な疾患

発熱


発熱は何らかの原因によって体温が普通より高くなった状態で、熱射病、日射病、うつ熱などの受け身の発熱、脳腫瘍や脳外傷による中枢性発熱、感染に対して身体を守る反応(生体防御反応)としての発熱等に大別されます。
一般的な原因は感染症が圧倒的に多いのですが、いわゆる原因不明の発熱(不明熱)の場合は、感染症以外の全身性の疾病(膠原病および潜在性の腫瘍、特に白血病とリンパ腫など)によって引き起こされることが多々あります。この不明熱も当科を訪れる患者さんの内、最も多い主訴の一つで、診断には、病歴や症状の聴取、徹底的な身体診察、特に皮膚、眼、爪床、リンパ節、心臓および腹部に関して繰り返して行うことが非常に重要です。
臨床検査では、血液や入手できる他の体液の細菌、真菌、ウイルスの培養を行います。非侵襲的検査(超音波検査、 CT および MRI 、ラジオアイソトープシンチグラフィーなど)は、多くの感染症、腫瘍の局在や進行度を知るのに役立ちますが、時に侵襲的診断法が必要となる場合があります。肝臓、骨髄、あるいは皮膚、胸膜、リンパ節、腸、筋肉といったような病巣部の生検を行い、組織病理学的検査を行い、培養して細菌、真菌、ウイルスやマイコバクテリアを調べます。これら個々の患者に応じた診断法によって、不明熱の診断をし、治療に結び付けて行きます。

関節リウマチ・膠原病


膠原病とは、全身の関節、血管、皮膚、粘膜、筋肉、内臓などに、慢性の炎症を起こす一連の疾患群で、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、結節性動脈周囲炎などが代表的なものです。炎症は、感染や外傷のような外的要因によるものではなく、自己の細胞が自己の正常組織を攻撃するという内的要因によるもので、自己免疫疾患に分類されます。症状は、疾患によって大きく異なりますが、発熱、体重減少、関節痛、筋肉痛、発疹、種々の臓器障害など多彩です。原因のほとんどは現在でも不明ですが、多くの疾患で適切な治療によって寛解(症状が消失すること)させることができますので、診断を正確に行うことが最も重要になります。特に関節リウマチでは、早期に診断することによって、生物学的製剤の発達もあり、関節の破壊や変形をかなり予防できるようになってきています。

食欲不振


一時的に食欲がないなどの症状は誰でも経験し、自分で原因が思い当たることが多いので、問題となることがないのですが、長期間に続く食欲不振の場合、胃腸障害の原因のほかにも、いろんな病気に伴って現れるので注意を要します。
食欲不振を来す病気としては、消化器疾患( 胃炎、腸炎、消化性潰瘍、消化器癌、肝炎、肝硬変、胆石、胆道炎、膵炎など)を始めとし、脳、脊髄疾患(脳出血、脳腫瘍、脳炎、髄膜炎など)、内分泌疾患(下垂体、甲状腺、副腎などの機能低下の場合)、代謝病(重症糖尿病、ビタミン不足など)、腎蔵病(腎機能障害、尿毒症など)、呼吸器疾患、血液疾患、感染症、中毒性疾患、精神障害(うつ病、神経症(ノイローゼ)、神経性食欲不振、統合失調症など)と多岐に渡り、ほぼ全ての臓器(および精神状態)が原因となります。当科では消化管内視鏡検査を始めとした消化器疾患の精密検査を行うとともに、消化器専門医、循環器専門医、糖尿病専門医、内分泌専門医、リウマチ専門医、老年病専門医が揃っており、全身的検索を進めさせて頂きます。

頭痛


頭痛はよくある症状です。また,当科を訪れる患者さんの内、最も多い主訴の一つです。頭痛は、しばしば生活に支障を来すことがあっても、生命にかかわるようなことは頻度的には少ないですが、時には急性の全身性疾患(貧血、発熱、高炭酸ガス血症、高血圧、低酸素症、血管作動性化学物質摂取、全身性ウイルス感染)または頭蓋内の疾患(脳膿瘍、脳内血腫、クモ膜下出血、硬膜下血腫、脳卒中、脳炎、髄膜炎、脳腫瘍、脳損傷)および多くの眼・鼻・のど・歯・耳・頸椎などの病気による二次的症状であったりすることもあります。頭痛の診断は、このように多種多彩な疾患が原因のことがあり、クモ膜下出血等のように致死的な疾患を的確に鑑別することも大切になります。40歳以上の年齢になってから新たに始まる頭痛は、必ず綿密な評価を必要とし、時には理学的診察に引き続き、速やかに血液検査、眼科的検査、耳鼻科的検査を行い、特に異常な神経病学徴候が存在する場合には、MRIやCTが必要となります。当科では、このように一つの臓器にとどまらず全身性疾患としての頭痛に対処治療しております。

生活習慣病


平成8年12月、公衆衛生審議会成人病難病対策部会でとりまとめられた意見具申「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について」が当時の小泉厚生大臣に提出され、従来の加齢に注目した「成人病」に代わって、生活習慣に着目した「生活習慣病」という概念を新たに導入されつつあります。
今までも聖路加看護大学学長の日野原重明先生などが、「習慣病」あるいは「生活習慣病」という概念を提唱していましたが、この意見具申を契機に、「生活習慣病」という名称が一般的な名称として広まりつつあります。 「生活習慣病」 (Life-style related diseases) の定義は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と規定され、インスリン非依存性糖尿病(成人型糖尿病)、肥満、高脂血症(家族性を除く)、高尿酸血症、循環器疾患(先天性を除く)、大腸癌(家族性を除く)、高血圧症、肺扁平上皮癌、慢性気管支炎、肺気腫、アルコール性肝障害、歯周病などが含まれるとされています。これら、高脂血症や高血圧、糖尿病などをそのままにしておくと動脈硬化をおこし、そのために脳卒中や心筋梗塞などの重大な発作につながることもあります。しかも、これといった自覚症状がないために、知らないうちに病気が進行してしまい、治療が遅れて命に関わる場合が多く見られます。サイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれるのはそのためです。この生活習慣病は、一つの臓器にのみ疾患が存在するわけでは無く、全身の多数の臓器疾患の集まった症候群と言え、総合的な診断治療が必要となってきます。特に2010年に新たな診断基準が提示された糖尿病は既に国民病であり,他疾患に合併したりします。又,ステロイド投与により容易に耐糖能の異常糖尿病を発症し,治療も複雑となります。当科は糖尿病学会の認定施設でもあり,統合的に力を発揮します。
当科では全身的診断治療を進めるために必要な内科学会専門医のスタッフが中心となり、更に、当科の消化器専門医、循環器専門医、糖尿病専門医、内分泌専門医、リウマチ専門医、老年病専門医と伴に、生活習慣病についても、全身的診断治療を進めさせて頂きます。

診療日等



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