自覚症状としては痒みがあげられます。異物感、眼脂の増加がみられることもあります。他には白目の球結膜の充血、膨れ上がるようなむくみ、まぶたが腫れることもあります。
まずは副作用の少ない抗アレルギー点眼薬を使用します。抗アレルギー点眼薬だけでは効果が十分でない場合は、経過をみながら点眼薬の種類変更やステロイド点眼薬の併用を行います。
特に妊娠初期は催奇形のリスクがあり薬物治療はおすすめできません。基本的な抗原の回避(掃除、マスク、メガネ)は必須です。温熱療法(蒸しタオルを当てる、蒸気 スチーム)が有用です。鼻噴霧ステロイド薬・ケミカルメディエーター抑制剤や漢方薬などは比較的安全とされている薬もあるので担当医にご相談ください。舌下免疫療法は妊娠中は開始できませんが、妊娠前から計画的に開始することは可能です。重症の方は妊娠前に計画的に行うことも有用です。当科にご相談ください。
市販の鼻炎用の点鼻薬の中には血管収縮剤が含まれているものがあり、これを連日頻回に使用すると鼻粘膜が非可逆性に腫れてしまう場合があります。これを薬剤性鼻炎と呼びます。ひどい場合は手術をしないと治りません。市販の点鼻薬は極力使わないようにして耳鼻咽喉科に受診して鼻噴霧用局所ステロイド薬や抗ロイコトルエン薬を中心とした治療管理をしてもらうことが効果的です。
好酸球性副鼻腔炎の可能性があります。これは厚生労働省の指定難病であり、厳重な治療管理が大切です。再発しやすい患者さんは手術治療を施行後、術後に鼻うがいや薬物治療をしっかり行うことが大切です。当科では鼻内内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を行い、術後治療の管理を地域連携しながら行なっています。また、術後再発の重症例に対しては生物学的製剤による治療を行うことができます。
鼻閉症状の強い場合は、鼻腔形態を広げる手術(鼻中隔矯正術や粘膜下下鼻甲介骨切除術)が有効です。鼻漏やくしゃみが多い場合は、後鼻神経切断術が有効です。 2019年から、重症季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)に対しては、抗IgE抗体薬が使えるようになりました。高価な薬ですが治療効果は高いです(保険適応あり)。使用できるのは耳鼻咽喉科医など条件が限られていますので当科にご相談ください。