これからの岐阜大学医学部附属病院の使命
1.若手医師育成は最重要課題
岐阜大学医学部附属病院医師育成推進センターのホームページにお立ち寄りくださいまして有り難うございます。地域医療を守り育て地域医療を担い、さらに全国そして世界を視野に入れた医師の育成は大学病院の最重点課題の一つです。質の高いシームレスな卒後教育を実践し、若い先生にそれぞれのキャリアパスを実現していただく、それが本センターの役割です。
2.地域中核病院として充実した岐阜大学医学部附属病院
ご存知の通り、厚生労働省は、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病及び精神疾患を5疾病、救急医療、災害時における医療、僻地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)を5事業と定めています。岐阜大学医学部附属病院は、これらの疾患に対する高度の医療の提供、高度医療技術開発および高度の医療に関する研修を実施する能力を備えた、「特定機能病院」として厚生労働大臣から承認され、「臨床研修指定病院」、「都道府県がん診療連携拠点病院」、「がんゲノム医療連携病院」「日本遺伝性乳癌卵巣癌総合医療制度機構(JOHBOC)基幹病院」「岐阜県難病医療拠点病院」、「エイズ治療の中核拠点病院」、「肝疾患診療連携拠点病院」、「高度救命救急センター」、「基幹災害医療センター」、「岐阜県救急外傷センター」、「原子力災害拠点病院」など多くの拠点病院の指定を受けています。また、岐阜県における中核病院として、岐阜県の患者さんのため全ての病気を安全に、そして安心して治療を受けていただける信頼される大学病院として、「呼吸器センター」、「循環器センター」、「がんセンター」、「炎症性腸疾患センター」、「肝疾患診療支援センター」、「アレルギーセンター」、「ゲノム疾患・遺伝子診療センター」、「成育医療センター」、「脳卒中センター」、「難聴児支援センター」など多くのセンターが専門的な医療を提供しています。新しい標準治療の開発と創成にも取り組むため「先端医療・臨床研究推進センター」が設置されています。卒後の医師の育成のため、「内視鏡外科手術トレーニングセンター」での実践的な教育が受けられます。また、2022年度からは「カダバートレーニングセンター」が開設され、より実臨床に近い教育が受けられるようになります。2022年春には新手術棟が完成し、ハイブリッド手術室が2部屋で最新の画像装置とナビゲーションシステムの連動で、血管内治療を初め、精密な手術治療を行えるようになりました。また、岐阜大学医学部附属病院は現在2台のダビンチを保有しておりますが、ダビンチなどロボット支援手術専用の手術室を整備しました。泌尿器科疾患のみでなく、消化器外科、呼吸器外科、産婦人科などの疾患でのロボット支援手術を広く行っていきます。
当院はドクターヘリやドクターカーを配備した「高次救命治療センター」を有しており、多くの脳卒中患者さんや虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の患者さんのみならず多くの救急患者さんを24時間、365日休みなく救命治療を行い、最先端の診断や脳外科手術、血管内手術、心臓手術、ステント治療など優れた外科的・内科的医療を提供しています。高齢化社会では、上記疾患に加え、糖尿病、認知症や精神・神経疾患、呼吸器疾患、リウマチ・内分泌疾患、運動器疾患、眼科疾患、耳鼻科疾患、皮膚科疾患や歯科・口腔外科領域の患者さんが急激に増加してきます。また、将来を担うAYA世代の医療、小児医療や周産期医療にも新生児集中治療室(NICU)を配置し、最先端の医療体制を整えています。
今後の岐阜大学医学部附属病院は、Society5.0構想のもと、IoTやAIなどの導入を進め、スマートホスピタルとして進化していきます。全ての病気の患者さんに真摯に対応し、そして新しい医療を開発し患者さんに届けること、患者さんに安心して診療を受けていただける、地域に密着した信頼される「グローカルハイクオリティー」な大学病院として発展し続けています。
3.岐阜大学医学部附属病院の将来像
岐阜大学医学部附属病院の基本方針は、①患者中心のチーム医療を提供します。②人間性豊かな医療人を育成します。③先進医療の研究・開発・提供を実践します。④地域との医療連携を強化します。の4つです。若い先生は、岐阜県において最先端の医療を習得しながら、地域の問題点を認識し貢献する医療も身につけていただきたい。地域貢献を実践しながら、全国、そして世界の情勢を感じ取ってGlobal and local leadershipを担う人材になっていただきたい。岐阜大学医学部附属病院では、国際共同研究の推進として、日・中・韓のみならず、アメリカやヨーロッパの大学間の人事交流や共同研究を推進しています。
2024年4月には医師の働き方改革が始まります。大学病院のような医療機関から地域医療を担っている病院の医師全てが良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保しなければなりません。タスクシフト/シェアを推進し、医師の負担を軽減しつつ、医療関係職種がより専門性を活かしながらの業務範囲の見直しなどが検討されています。またダイバーシティーの推進も重要です。医師育成推進センターにおきましても、職員の福利厚生、健康管理、女性職員が勤務しやすい職場作り(出産・育児支援)やキャリア支援・働き方改革への取り組みなどを一元的に考えながら、時代に相応した充実した若い先生の教育研修体制の構築に全力で取り組んでまいります。