科長から

はじめまして、令和3年5月に岐阜大学医学部眼科教授に就任いたしました坂口と申します。私は大阪から赴任したのですが、以前から岐阜には、白川郷、飛騨高山、長良川鵜飼、など、自然豊かなイメージがありました。「君の名は」の舞台の一つという印象もありました。実際は、岐阜大は岐阜市にあり、となりの愛知県、滋賀県から近く、例えば岐阜駅、名古屋駅間は快速で20分と、こちらから名古屋に通勤されている方も多いそうで、適度な人口で、適度な自然があり、とても住みやすいところでした。まだあまりいけておりませんが、北に東に西にとぶらぶらと訪れたいところがたくさんあり、また、これもまだあまり行けていませんが、食巡りも楽しみにしています。ただ、まだこの文章を執筆しているときは夏でしたが、冬は数か月間スタッドレスタイヤが必要とのことで、雪に慣れてない私は、ちょっとだけ心配しております。
さて、私はこれまで網膜硝子体疾患を対象とした手術、研究を行ってきました。元来マイクロサージェリーなるものが好きで、岐阜でも是非、網膜硝子体疾患に限らず、眼科手術を志す先生方と互いに難症例にトライしていき、手術数を増やし、手術を中心とした臨床研究、あるいは疾患についての基礎研究を続けていければと考えております。まだやりたいことが見つかっていない先生方には、やりがいが見つかるよう、そのような門戸を開いて待ち、やりたいことがすでにある先生には、それぞれの先生方がやりたい方向で、やりたいことができるよう積極的に応援できればと考えております。興味がある方向でないと長続きしませんし、興味がある方向なら、どんどん実力を発揮してくれるのではと思います。

よく、手術のできる後輩をどんどん育ててください、とか言われるのですが、自分自身の技術も自分評価では中の中といったところで、上から目線で'教える'のはおこがましいと思っています。まだまだ現在の硝子体手術というもの自体も完璧なものではないとも思っています。今までもそうですが、手術について意見を求められた後輩同僚には、その先生方の意見をうかがった上で、今まで得てきた経験を伝え(自分の手術、先輩方の手術、その顛末などなど)、患者一人一人に対し、現時点で最高と思われる手術を検討してきました。経験を伝えるだけではなく、逆にこちらも多くのことを教えていただきました。先輩、同僚、後輩、'人皆先生'、ここ岐阜でもいろいろな'先生'に出会い、ともに成長していくことを楽しみにしている今日この頃です。皆さんも一緒にやってみませんか?

科長

坂口 裕和SAKAGUCHI HIROKAZU

岐阜大学眼科について

岐阜大学医学部は地方大学でもあり、都心の大学と比較すると規模は小さいですが、和気あいあいとアットホームな雰囲気でやっております。専攻医の先生達のやっている一挙一投足に目が届き、大学病院ならではの珍しい症例、難症例にも触れる頻度が高く勉強になります。環境に慣れ、勉強がきちんとできていると判断したら、少しずつ白内障手術に挑んでもらいます。また、珍しい症例に関しては症例発表やまとめて報告し、興味のあることがあれば研究して論文作成を目指してもらいます。

先々代の北澤克明教授、先代の山本哲也教授は緑内障を専門としており、県外から多くの患者さんが通院されていました。令和3年5月から、坂口裕和教授が就任し、網膜硝子体手術を専門としています。今までの緑内障はそのまま継続し、分野の違う網膜硝子体手術を増やし発展させていきます。眼科の手術は細かく不器用だとできないと思われる人もいるかもしれませんが、実は不器用な人でも上手になります。手術に興味のある人はぜひ岐阜大学眼科にお越しください。手取り足取りお教えします。

医局長

石澤 聡子KOKUZAWA SATOKO