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放射線治療

放射線治療は、がん治療の3本柱の1つであり、最近の技術革新とともに進歩し、治療効果が高く、また全身の負担が少なく副作用もかなり減っています。当院は岐阜県唯一の日本放射線腫瘍学会(JASTRO)認定施設であり、放射線治療専門医が診察し,様々な画像検査・血液検査などの情報をもとに患者さんの体力や病気の進み具合に合わせて、最もよい放射線治療方法を決めています.放射線治療と手術を併用する場合,抗がん剤と併用する場合,放射線治療だけの場合などがあり,それぞれの治療に関して各診療科、各部門と緊密な連携のもとに治療にあたっています.

平成21年12月から大学病院としては本邦初となるVarian社製の高精度治療装置ノバリスTxが導入され、高精度放射線治療に対応し、他の病院では対応困難である照射を県内外の病院から依頼いただき治療しております。

当院では放射線治療専門医3名とレジデント3名が診療放射線技師(うち放射線治療専門放射線技師2名)、専従看護師とともに診療を行っています。リニアックは上述のノバリスTxの他、Varian社製のClinac 21EXとあわせ計2台を有し、高精度外部放射線治療を積極的に行っています。この他にも子宮頚癌に対する腔内照射(RALS)、前立腺癌に対するヨウ素125シード線源永久挿入による前立腺癌密封小線源療法も他診療科との協同で行っています。

中枢神経診断

他科と連携して、次のような診療を行っています

  • f-MRIによる術前賦活部位マッピング:BOLD法を利用して、術前に運動野やBroca野、Wernicke野の同定を行います。
  • H-MRSによる代謝産物測定:MRIにて、腫瘤の質的診断、良悪性の鑑別に迫ります。
  • diffusion tensor tractographyによる神経線維描出:術前に錐体路や視覚路などの神経線維の描出を行います。
  • Synthetic MRIによる脳組織定量評価:従来のMRI撮像法とは異なり組織の定量評価を行うことで検査時間短縮に加え、さらなる質的診断に迫ります。
  • 血管障害に対する安静及び負荷時脳血流定量評価(DTARG法):もやもや病や動脈狭窄/閉塞症例での術前予備能評価・治療効果評価を行います。
  • 認知症に対する脳形態・血流解析(VSRAD・eZISやSVA法):アルツハイマー型認知症をはじめとして、変性疾患の補助診断に利用します。

頭頸部診断

頭頸部領域は狭い空間の中に複雑な解剖が凝縮され,聴覚,嗅覚,味覚の他にも咀嚼,嚥下,呼吸,発声,構音という重要かつ多岐にわたる機能を担っており,耳鼻咽喉科,歯科口腔外科,眼科,脳神経外科,内分泌外科などの様々な専門診療科が協力して診療を行っています。近年,画像診断機器の急速な進歩により,放射線画像が質的診断や治療方針に役立つ情報を提供できる機会が増えてきました。頭頸部癌では機能温存治療が重要視されており,症例毎に適切な治療法や治療範囲を決定する必要があるため,治療前の画像診断で病変の進展範囲を正確に診断して臨床病期を判定する必要に迫られます。当科では治療まで視野に入れた画像診断を心がけており,耳鼻咽喉科,歯科口腔外科などへのカンファレンスにも積極的に参加して,臨床に役立つ画像情報が提供できるよう努めています。またCTやMRIを中心とした頭頸部領域の臨床研究を積極的に行っており,海外誌には多くの論文が掲載されています。若手医局員には全国規模の頭頸部画像診断の専門的な研究会に参加してもらい,大きな舞台で発表する場を提供しています。頭頸部領域を専門とする放射線科診断医は全国的にも少ないのが現状ですが,教育と研究を両立すべく日々研鑽を積んでいます。

胸部診断

肺癌をはじめ、びまん性肺疾患、感染症に加え、気胸や肺血栓塞栓症などの救急疾患にわたる多彩な疾患が含まれる領域です。

胸部単純X線写真は病変の検出や経過観察、病変の全体像の把握の手段として用いられます。高分解能CTは病理組織学的な形態を反映した所見を示し、肺癌やびまん性肺疾患の診断において重要な役割を占めます。CTの進歩と臨床応用により、所見の把握から鑑別診断の進め方も論理的に整理され、臨床現場での重要性は高まっています。

その他、FDG-PET/CTは肺癌などの悪性腫瘍において、病期診断や再発診断に、MRIは縦隔腫瘍などの腫瘍性病変の診断に用いられます。しかし、画像診断には一定の限界があり、画像情報と臨床像の総合的な解析力が必要な分野です。

呼吸器センター

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呼吸器センターのカンファレンスでは主に肺癌症例についての画像診断(胸部CT、PET-CT等)、放射線治療(体幹部定位放射線治療等)、IVR(CTガイド下肺生検や塞栓術等)の適応などについて呼吸器内科、呼吸器外科を交えてディスカッションしています。2017年1月に院内に呼吸器センターが立ち上げられ、呼吸器内科、呼吸器外科とともに放射線科も参画しています。

腹部診断・IVR(画像下治療)

CTやMRIを中心とした画像を駆使して肝・胆・膵を中心とする腹部実質臓器および泌尿生殖器の画像診断を行います。

昨今より低侵襲な治療法として画像下治療(Interventional radiology;IVR)はますますその重要性を増しています。当科では内臓動脈瘤や動静脈瘻といった血管病変に対するIVR、USガイドやCTガイドを用いた針生検、リンパ管のイメージング・塞栓術といったIVRを積極的に行っている他、24時間365日様々な緊急IVRに対応しています。

IVRの具体的な例

  • 肺血管系のIVR(Oslar病の肺動静脈奇形に対する塞栓術など)
  • 泌尿器領域の画像診断、IVR(腎血管筋脂肪腫、腎動静脈奇形に対する塞栓術など)
  • リンパ管イメージング、IVR(リンパ管造影、リンパ管塞栓術など)
  • 外傷・危機的産科出血・消化管出血などに対する緊急IVR
  • 超音波・CTガイド下臓器・腫瘍生検
  • 胸部・腹部大動脈ステントグラフト留置術
  • ステントグラフト内挿術後の合併症に対する治療 (TypeⅡ エンドリーク等)
  • 肝切除術適応拡大のための経皮的門脈塞栓術(PTPE)
  • 肝動脈塞栓術(TAE)、肝動脈リザーバー留置術および動注療法
  • 婦人科領域IVR(産後出血や子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術 [UAE]、腫瘍に対する子宮動脈動注治療など)
  • ラジオ波焼灼療法(RFA)、エタノール局注療法(PEIT)
  • 門脈圧亢進症のIVR(B-RTO)
  • 胆道狭窄のステント留置術

消化管診断

消化管診断部門では消化管造影検査、消化管CT検査(特に大腸CT検査)を行い、消化管腫瘍診断を中心とした業務を行っています。

近年、消化管診断検査はX線被曝のない内視鏡検査にて行われることが多くなっていますが、消化管造影検査は客観的な位置情報や病変の広がりを知るために非常に重要な検査です。特に外科的治療前の評価や化学療法治療後の効果判定にはなくてはならない重要な役割を担っています。当科では患者さんの治療を担当する主治医の先生に、より正確な病気の情報を示すことで、より適切な治療を受けていただけるよう日々努力しています。

消化管CT検査は消化管内視鏡検査、消化管造影検査が発達していた本邦ではあまり重要視されていませんでしたが、近年のCT装置や画像処理装置の発達に伴って、以前に比べると格段に詳しい情報を得ることができるようになりました。特に大腸CT検査はCT colonography(シィーティー コロノグラフィー)として欧米を中心に研究が進められていました。

岐阜大学病院でも大腸内視鏡検査後の大腸がきれいになった状態でのCT colonographyを行うことができるようになりました。比較的簡単に大腸の客観的な情報を得ることが出来る大腸CT検査は非常に有用な検査です。まだ、研究段階の部分もありますが、今後もより患者さんに優しく、より正確な診断を行える検査を目指します。

Women's Imaging(乳腺および婦人科)

マンモグラフィーは乳がんの診断にかかせない検査ですが、近年ではマンモグラフィーで見えない病変までをも検出するトモシンセシスという新たな技術が開発され、当院では2013年に全国でも先駆けて導入しています。

乳がんの治療においては、手術の際の切除範囲の決定や、化学療法の効果判定にMRIによる精密検査が必要不可欠となっています。

子宮・卵巣の疾患においても、良悪性の鑑別や、進展範囲の決定にMRIを用いた精密検査が有用です。被ばくのない、女性に優しい検査を行っています。

骨軟部診断

骨軟部領域は放射線科診断医の中でも苦手にしている医師が多い領域のひとつです。これにはいくつかの要因がありますが,最も大きな要因として骨軟部領域の画像診断検査数が少ないことが挙げられます。骨軟部疾患の患者さんは大規模な病院に集約されるため,中小病院では骨軟部領域の画像診断に触れる機会が少ないのが現状です。しかし当院では岐阜県中から骨軟部疾患の患者さんが集まってくるため,当科では骨軟部領域の画像診断を多く経験することが可能です。当科では特に骨軟部腫瘍の画像診断に力を入れており,腫瘍性病変の良悪性診断,質的診断,深達度診断などには積極的に関わっています。また骨軟部画像診断の専門的な研究会に継続的に参加・発表することを心がけ,専門知識のアップデートに努めています。教育面においては,医学生に骨腫瘍の画像診断をテーマにレクチャーしており,難しい骨軟部領域の画像診断に身近に触れてもらう機会を設けています。

核医学

他科と連携して、次のような診療を行っています

  • FDG-PET/CT検査:悪性腫瘍の病期診断、再発/転移診断、治療効果判定や原発巣の検索を行います。
  • 血管障害に対する安静及び負荷時脳血流定量評価(DTARG法):もやもや病や動脈狭窄/閉塞症例での術前予備能評価・治療効果評価を行います。
  • 認知症に対する脳血流解析(eZISやSVA法):アルツハイマー型認知症をはじめとして、変性疾患の補助診断に利用します。
  • SPECT-CT hybrid装置によるfusion像を利用した核医学診断:CTとfusion(重ね合わせる)ことで、異常集積部位の解剖学的位置の把握に有用です。
  • 乳癌、悪性黒色腫に対する術前センチネルリンパ節シンチ:センチネルリンパ節(見張りリンパ節)を同定し、リンパ節郭清に寄与します。
  • ゼヴァリンによるRI標識抗体療法:CD20陽性の再発または難治性悪性リンパ腫に対する治療適応の可否判定および治療を行います。
  • 放射線ヨウ素内用療法:甲状腺癌による甲状腺全摘後に、残存する甲状腺床の破壊や転移・残存する癌病変を攻撃する目的で放射線ヨウ素内用療法(外来・入院)を行います。

スタッフ紹介

専門領域 資格
教授 松尾 政之
Masayuki MATSUO
一般・放射線治療・高精度放射線治療 日本医学放射線学会認定 放射線治療専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
准教授 加藤 博基
Hiroki KATO
一般・頭頸部・骨軟部・泌尿生殖器 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医
日本核医学会認定 専門医

特任准教授

→2024年 薬理病態学教授

兵藤 文紀
Fuminori HYODO
生物物理学 日本薬学会 会員
特任准教授 金子 揚
Yo KANEKO
一般・核医学 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本核医学会認定 専門医
日本核医学会認定 PET核医学認定医
准教授 川田 紘資
Hiroshi KAWADA
一般・IVR 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医
腹部ステントグラフト実施医
准教授 野田 佳史
Yoshifumi NODA

一般・腹部・IVR

日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医
腹部ステントグラフト実施医
日本核医学会認定 専門医
講師 河合 信行
Nobuyuki KAWAI
一般・腹部・IVR 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医
日本核医学会認定 専門医
臨床講師 安藤 知広
Tomohiro ANDO
一般・IVR 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医
日本核医学会認定 専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
臨床講師 加藤 亜希子
Akiko Kato
一般 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
臨床講師 萩田 光代
Mitsuyo HAGITA
一般 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
臨床講師

小俣 真悟

Shingo OMATA

一般

日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医

日本核医学会認定 専門医

臨床講師

伊東政也

Masaya Ito

一般・放射線治療

日本専門医機構認定 放射線科専門医

日本医学放射線学会認定 放射線治療専門医

臨床講師

永田 翔馬

Shoma NAGATA

一般・IVR 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医
臨床講師 藤本 敬太
Keita FUJIMOTO
一般・消化管・心血管 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本核医学会認定 専門医
臨床講師 加賀 徹郎
Tetsuro KAGA
一般・腹部・IVR

日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本IVR学会認定 専門医

日本核医学会認定 専門医

臨床講師 高井 由希子
Yukiko TAKAI
一般・乳腺 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
医員 高野 宏太
Hirota TAKANO
一般・放射線治療 日本専門医機構認定 放射線科専門医
医員 周藤 壮人
Taketo SUTO
一般・IVR

日本専門医機構認定 放射線科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医

医員 森 貴之
Takayuki MORI
一般・放射線治療

日本専門医機構認定 放射線科専門医

医員 入谷 友佳子
Yukako IRITANI
一般

日本専門医機構認定 放射線科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医

医員

伊藤 彰勇

Akio ITO

一般

日本専門医機構認定 放射線科専門医

医員 小堀 朗和
Akikazu KOBORI
一般・放射線治療 日本専門医機構認定 放射線科専門医
医員 前田 峻秀
Takahide MAEDA
一般 日本専門医機構認定 放射線科専門医
医員 浅野 将史
Masashi ASANO
一般 放射線科後期研修プログラム
医員

瀬古 卓也

Takuya SEKO

一般 放射線科後期研修プログラム
医員

山田 菜生

Mao YAMADA

一般・放射線治療 放射線科後期研修プログラム
医員

小澤 直人

一般 放射線科後期研修プログラム
医員 松岡 康太 一般 放射線科後期研修プログラム
医員(パート) 浅野 信子
Nobuko ASANO
一般 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
医員(パート)

岡田 すなほ

Sunaho OKADA

一般・放射線治療 日本医学放射線学会認定 放射線治療専門医