放射線科では主に放射線科診断医による各種呼吸器疾患の画像診断、放射線科治療医による呼吸器腫瘍に対する放射線治療を担当しています。呼吸器内科・外科と綿密に連携をとり、患者さんの病態・病状や希望にあった治療方針を決定しています。日本医学放射線学会および日本放射線腫瘍学会の認定施設です。
画像診断
当院ではCT、MRI、FDG-PETを含む各種核医学検査が可能であり、放射線科診断専門医が各種呼吸器疾患の存在診断や質的診断、悪性腫瘍の病期診断を行っています。またオーダー各科の医師と連携を取り、追加で実施すべき検査を提案するなど、画像診断のスペシャリストとして診療に貢献しています。治療後のフォローアップにおいても放射線科診断専門医の果たす役割は少なくありません。
放射線治療
小細胞肺癌や進行期の非小細胞肺癌などに対しては呼吸器内科との連携の下、化学放射線療法を行っています。化学療法が難しい患者さんに対しては放射線治療単独での治療も行っています。また術後に放射線治療が推奨される場合には呼吸器外科との連携の下、術後照射も行っています。 また腫瘍の再発などで呼吸苦や血痰などの症状がある場合や、転移巣により麻痺や疼痛などの症状がある場合でも放射線治療により症状緩和が得られる場合があり、呼吸器内科・外科と連携し、最善の方針を検討しています。
体幹部定位放射線治療
小数個の小型肺癌に対しては体幹部定位放射線治療を行っています。息止めが可能な患者さんでは、呼吸停止下での治療を行っています。また呼吸による腫瘍の移動範囲を認識するため4D-CTも撮像できます。末梢側にある病変では計4回の照射で治療が可能です。中枢側の病変の場合でも分割回数(照射回数)を増やすことで安全性を確保できる場合があり、放射線科治療専門医が適応を検討しています。当院では2007年から体幹部定位放射線治療を開始しており、2016年までに100例以上の体幹部定位放射線治療を行っています。局所制御率(照射した部位が制御されている確率)は9割を超えています。