脳卒中・心臓病等総合支援センター

出雲 剛
センター長
出雲 剛
大倉 宏之
副センター長
大倉 宏之


 脳卒中や心臓病は、ある日突然発症することがほとんどです。多くの患者さんやそのご家族にとっては、心の準備が何もできていない状況でいきなり治療が始まる、そして多くの患者さんが後遺症も含めた何らかの症状に悩まされることになります。これまで普通に営んでいた活動に支障が生じることも多く、それに伴う不安を抱えて生活されている方も決して少なくないと思います。
 本センターのミッションは、これらの不安を抱える患者さんとそのご家族に対して、その解決の糸口となる適切な情報を提供することにあります。具体的には、病気の再発予防・リハビリテーションや緩和ケアサービス・治療とお仕事両立や就労に関わる支援・小児期の循環器病患者さんへの支援などを行います。
 また、このような患者さんおよびそのご家族の支援を円滑に進めるためには、かかりつけ医をはじめとした地域の医療機関との情報交換と連携が必須となります。
 岐阜大学医学部附属病院は、令和6年度に上記のような脳卒中・心臓病などの患者さんへの支援を総合的に行うセンターを開設する施設として、岐阜県および国から選定されました。
脳卒中そして心臓病の患者さんとそのご家族が、安心してより良い生活をお送りいただけるように、当センターが中心となって『オール岐阜』でこの事業に取り組んでいくことが出来ればと願います。


組織図

業務内容

1.脳卒中・心臓病等の患者及びその家族の相談支援に関すること。
2.地域住民を対象とした脳卒中・心臓病等(予防に関する内容も含む。)
  に関する情報提供及び普及・啓発活動に関すること。
3.地域医療機関,医療従事者等を対象とした研修会及び勉強会等に関すること。
4.相談支援を効率的に行うための資材等の開発及び提供に関すること。
5.その他脳卒中・心臓病等総合支援に関すること。

業務内容

1.脳卒中・心臓病等の患者及びその家族の相談支援に関すること。
2.地域住民を対象とした脳卒中・心臓病等(予防に関する内容も含む。)
  に関する情報提供及び普及・啓発活動に関すること。
3.地域医療機関,医療従事者等を対象とした研修会及び勉強会等に関すること。
4.相談支援を効率的に行うための資材等の開発及び提供に関すること。
5.その他脳卒中・心臓病等総合支援に関すること。

 

脳卒中センター

脳卒中はわれわれ日本人の国民病とされており、超高齢社会の到来によりその患者数は150万人を超え、年々増加しています。また、脳卒中は寝たきりとなる原因の第一位であり、その予後を改善することは社会的にも重要であると言えます。
脳卒中のうち、くも膜下出血や脳出血については以前から外科的手術等が行われてきましたが、最近では血管内手術や内視鏡手術などの低侵襲治療が普及し、予後が改善されつつあります。一方、脳梗塞についても2005年に点滴によって血栓を溶かすアルテプラーゼ(t-PA)静注療法、2010年にはカテーテルを用いて血管を再開通させる機械的血栓回収療法が認可され、これまでは重症化して予後不良と言われていた内頚動脈や中大脳動脈などの頭蓋内主幹動脈急性閉塞であっても、時間さえ間に合えば、ほぼ100%再開通が得られるようになっています。ただし、治療開始が30分遅れると予後不良の患者さんが10%増えることがわかっており、顔面の歪みや上肢の麻痺、言語障害の症状出現後、一刻も早く病院を受診していただくと共に、病院に到着後いかに早く診断して治療を開始するか、治療後いかに早くリハビリを開始し、再発を予防するかが重要となっています。

そのため岐阜大学医学部附属病院では脳卒中センターを設置し、脳神経内科と脳神経外科、救急科の医師と看護師、理学・作業・言語療法士がチームを組んで脳卒中患者の急性期治療に当たっています。前日の入院症例を中心に月〜金曜日まで毎日朝8時から、脳神経外科と脳神経内科の担当医による脳卒中症例カンファレンスをおこなっています。患者さんは重症度によってACCCと西6階病棟に設置された6床の脳卒中患者専用病床(ストロークユニット:SU)で受け入れて治療をおこない、薬剤師、栄養士、医療ソーシャルワーカーが加わって急性期から回復期へのシームレスな医療連携の手助けをおこなっています。

当院には脳卒中、脳神経外科、脳神経内科、脳神経血管内治療の専門医が全て3名以上常勤で在籍しており、アルテプラーゼ(t-PA)静注療法、機械的血栓回収療法、脳卒中の外科治療を365日24時間実施することのできる体制ができています。通常の外来診療は脳神経外科外来と脳神経内科外来で対応し、脳卒中センターは急性期医療に特化して高次救命治療センター(救急科)との協働のもと救急患者の受け入れを行います。患者紹介やお問い合わせには医師専用のホットライン(058-230-6270)をご利用ください。

 

脳卒中センター

脳卒中はわれわれ日本人の国民病とされており、超高齢社会の到来によりその患者数は150万人を超え、年々増加しています。また、脳卒中は寝たきりとなる原因の第一位であり、その予後を改善することは社会的にも重要であると言えます。
脳卒中のうち、くも膜下出血や脳出血については以前から外科的手術等が行われてきましたが、最近では血管内手術や内視鏡手術などの低侵襲治療が普及し、予後が改善されつつあります。一方、脳梗塞についても2005年に点滴によって血栓を溶かすアルテプラーゼ(t-PA)静注療法、2010年にはカテーテルを用いて血管を再開通させる機械的血栓回収療法が認可され、これまでは重症化して予後不良と言われていた内頚動脈や中大脳動脈などの頭蓋内主幹動脈急性閉塞であっても、時間さえ間に合えば、ほぼ100%再開通が得られるようになっています。ただし、治療開始が30分遅れると予後不良の患者さんが10%増えることがわかっており、顔面の歪みや上肢の麻痺、言語障害の症状出現後、一刻も早く病院を受診していただくと共に、病院に到着後いかに早く診断して治療を開始するか、治療後いかに早くリハビリを開始し、再発を予防するかが重要となっています。

そのため岐阜大学医学部附属病院では脳卒中センターを設置し、脳神経内科と脳神経外科、救急科の医師と看護師、理学・作業・言語療法士がチームを組んで脳卒中患者の急性期治療に当たっています。前日の入院症例を中心に月〜金曜日まで毎日朝8時から、脳神経外科と脳神経内科の担当医による脳卒中症例カンファレンスをおこなっています。患者さんは重症度によってACCCと西6階病棟に設置された6床の脳卒中患者専用病床(ストロークユニット:SU)で受け入れて治療をおこない、薬剤師、栄養士、医療ソーシャルワーカーが加わって急性期から回復期へのシームレスな医療連携の手助けをおこなっています。

当院には脳卒中、脳神経外科、脳神経内科、脳神経血管内治療の専門医が全て3名以上常勤で在籍しており、アルテプラーゼ(t-PA)静注療法、機械的血栓回収療法、脳卒中の外科治療を365日24時間実施することのできる体制ができています。通常の外来診療は脳神経外科外来と脳神経内科外来で対応し、脳卒中センターは急性期医療に特化して高次救命治療センター(救急科)との協働のもと救急患者の受け入れを行います。患者紹介やお問い合わせには医師専用のホットライン(058-230-6270)をご利用ください。

 

循環器センター

循環器センターは岐阜県における循環器疾患にかかわる診療、教育、研究の向上を図ることを目的として開設されました。
循環器疾患とは血液を全身に循環させる臓器である心臓や血管の病気です。当センターでは高血圧・心疾患(狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や弁膜症、心筋症、心不全、不整脈)や血管疾患(脳血管を除くすべての血管病、例えば閉塞性動脈硬化症、大動脈解離、大動脈瘤など)を対象にしています。循環器疾患は日本における死因の上位を占めていることからこの克服は社会的にも重要です。
循環器疾患の内容は多岐にわたり病像も慢性から急性期・重篤なものまで幅広く、治療法は高度な先進医療からより低侵襲な治療まで多種多様に発達してきたことから従来の内科・外科の枠組みを超えた「ハートチーム」での治療が必要となってきました。例えば虚血性心疾患には薬物療法、カテーテル治療、バイパス術がありますが患者さんの背景や予後を踏まえその患者さんにとってどの治療がベストなのかを十分に考える必要があります。また弁膜症についても重症例に対し従来は弁置換・弁形成など外科的治療しか選択肢がありませんでしたが現在では低侵襲なカテーテルを用いた治療が開発され今まで治療をあきらめざるを得なかった症例も治療できる時代にきています。定期的に循環器内科と心臓血管外科が合同カンファレンスを開催し患者さんにとって最適な治療を考え診療にあたっています。また循環器疾患は中高年者が多く治療後はいち早く社会復帰を目指すために効果的な心臓リハビリや栄養管理などトータルケアコーディネートが重要です。当センターでは患者さんを中心として循環器内科、心臓血管外科、放射線科、リハビリテーション部、看護部、検査部、薬剤部が診療科の垣根を越えた「ハートチーム」を作り最適な医療を実践しています。
また岐阜県は地域的に高度循環器医療施設の偏在という問題を抱えています。当センターは循環器救急疾患に対しては高次救命センターやドクターヘリの運用に協力し地域医療格差が生じないように役割を担っています。

業務内容:循環器内科

当院は日本循環器学会、日本超音波学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本不整脈学会、日本高血圧学会の認定施設であり県内の循環器疾患診療・教育において中心的な役割を担っています。循環器内科学分野では虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、難治性心不全、末梢血管病、不整脈を中心に診療を行っています。特に虚血性心疾患の診断には冠動脈狭窄病変に対し負荷心筋シンチグラフィーやFFR(fractional flow reserve: 冠血流予備量比)と呼ばれる狭窄度を数値化する方法を用いることで治療適応を適切に決めています。弁膜症診断には安静時心エコーのみならず運動負荷や薬物負荷心エコー、経食道心エコーも行い重症度評価を行います。虚血性心疾患や弁膜症疾患の治療方針はこれらの結果を踏まえてハートチームカンファレンスで協議し偏りのない最適な方法を選択しています。カンファレンスでは術後の結果を必ずフィードバックすることで今後の治療に役立てています。心筋症は積極的に心筋シンチ、MRI、心筋生検を行うことで診断し最適な治療を行います。難治性心不全は原因を見極めた上で最適な薬物治療に加え、デバイス治療、外科的に2次性弁膜症への介入を行いさらに心臓リハビリを組み合わせて効果的に治療しています。不整脈へは薬物治療やペースメーカー移植術のみならず難治性・致死性不整脈に対しては積極的にアブレーション治療や自動除細動器埋め込みを行っています。またこれらの治療は医師だけではなく多職種で情報を共有し包括的な医療を実践しています。

業務内容:心臓血管外科

当院は日本心臓血管外科専門医認定機構の基幹施設であり、大動脈ステント治療における日本ステントグラフト実施基準管理委員会の認定する実施施設です。循環器外科分野として心臓(虚血性心疾患、弁膜症、不整脈)並びに血管(大動脈瘤、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症)を対象とした治療を行なっています。 虚血性心疾患とは心臓を栄養する冠動脈が狭窄または閉塞して生じる病気です。これを治療するためには狭窄・閉塞した冠動脈の下流に新しい血管(グラフト)を吻合する冠動脈バイパス術が必要となります。動いている心臓の表面にある直径1mmの冠動脈にグラフトを吻合することは難しいため通常は人工心肺を用い心臓の動きを止めて手術します。しかし当院では人工心肺による合併症(脳梗塞、呼吸不全、腎不全)を減らすために、高度な技術を駆使して積極的にオフポンプバイパス術(人工心肺を用いないバイパス術)を行っています。
また弁膜症に対しては、弁を人工弁で交換する置換術だけでなく、弁を温存する(修復して治療する)形成術を積極的に行っています。一般的な弁膜症の手術は胸を真ん中で大きく切る方法で行いますが、当院では内視鏡補助下に小さな傷で行うMICSを取り入れています。
大動脈瘤の治療に対しては、折りたたんだ人工血管が収納されたカテーテルを鼠径部の切開創から血管内に挿入し、動脈瘤を内側から覆ってしまう大動脈ステントグラフト治療に当院は岐阜県でも最も早い時期から取り組んできました。ステントグラフトによる動脈瘤の治療の際には、動脈瘤に流入する枝を塞ぐ処理(塞栓術)が必要な場合がありますが、当院では放射線科の血管内治療チームと協力しながら手術を行っています。
さらに外科分野は高次救命治療センターと協力し、急性心筋梗塞や大動脈瘤破裂などの緊急手術を必要とする患者さんを岐阜県全域から受け入れています。

 

循環器センター

循環器センターは岐阜県における循環器疾患にかかわる診療、教育、研究の向上を図ることを目的として開設されました。
循環器疾患とは血液を全身に循環させる臓器である心臓や血管の病気です。当センターでは高血圧・心疾患(狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や弁膜症、心筋症、心不全、不整脈)や血管疾患(脳血管を除くすべての血管病、例えば閉塞性動脈硬化症、大動脈解離、大動脈瘤など)を対象にしています。循環器疾患は日本における死因の上位を占めていることからこの克服は社会的にも重要です。
循環器疾患の内容は多岐にわたり病像も慢性から急性期・重篤なものまで幅広く、治療法は高度な先進医療からより低侵襲な治療まで多種多様に発達してきたことから従来の内科・外科の枠組みを超えた「ハートチーム」での治療が必要となってきました。例えば虚血性心疾患には薬物療法、カテーテル治療、バイパス術がありますが患者さんの背景や予後を踏まえその患者さんにとってどの治療がベストなのかを十分に考える必要があります。また弁膜症についても重症例に対し従来は弁置換・弁形成など外科的治療しか選択肢がありませんでしたが現在では低侵襲なカテーテルを用いた治療が開発され今まで治療をあきらめざるを得なかった症例も治療できる時代にきています。定期的に循環器内科と心臓血管外科が合同カンファレンスを開催し患者さんにとって最適な治療を考え診療にあたっています。また循環器疾患は中高年者が多く治療後はいち早く社会復帰を目指すために効果的な心臓リハビリや栄養管理などトータルケアコーディネートが重要です。当センターでは患者さんを中心として循環器内科、心臓血管外科、放射線科、リハビリテーション部、看護部、検査部、薬剤部が診療科の垣根を越えた「ハートチーム」を作り最適な医療を実践しています。
また岐阜県は地域的に高度循環器医療施設の偏在という問題を抱えています。当センターは循環器救急疾患に対しては高次救命センターやドクターヘリの運用に協力し地域医療格差が生じないように役割を担っています。

業務内容:循環器内科

当院は日本循環器学会、日本超音波学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本不整脈学会、日本高血圧学会の認定施設であり県内の循環器疾患診療・教育において中心的な役割を担っています。循環器内科学分野では虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、難治性心不全、末梢血管病、不整脈を中心に診療を行っています。特に虚血性心疾患の診断には冠動脈狭窄病変に対し負荷心筋シンチグラフィーやFFR(fractional flow reserve: 冠血流予備量比)と呼ばれる狭窄度を数値化する方法を用いることで治療適応を適切に決めています。弁膜症診断には安静時心エコーのみならず運動負荷や薬物負荷心エコー、経食道心エコーも行い重症度評価を行います。虚血性心疾患や弁膜症疾患の治療方針はこれらの結果を踏まえてハートチームカンファレンスで協議し偏りのない最適な方法を選択しています。カンファレンスでは術後の結果を必ずフィードバックすることで今後の治療に役立てています。心筋症は積極的に心筋シンチ、MRI、心筋生検を行うことで診断し最適な治療を行います。難治性心不全は原因を見極めた上で最適な薬物治療に加え、デバイス治療、外科的に2次性弁膜症への介入を行いさらに心臓リハビリを組み合わせて効果的に治療しています。不整脈へは薬物治療やペースメーカー移植術のみならず難治性・致死性不整脈に対しては積極的にアブレーション治療や自動除細動器埋め込みを行っています。またこれらの治療は医師だけではなく多職種で情報を共有し包括的な医療を実践しています。

業務内容:心臓血管外科

当院は日本心臓血管外科専門医認定機構の基幹施設であり、大動脈ステント治療における日本ステントグラフト実施基準管理委員会の認定する実施施設です。循環器外科分野として心臓(虚血性心疾患、弁膜症、不整脈)並びに血管(大動脈瘤、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症)を対象とした治療を行なっています。 虚血性心疾患とは心臓を栄養する冠動脈が狭窄または閉塞して生じる病気です。これを治療するためには狭窄・閉塞した冠動脈の下流に新しい血管(グラフト)を吻合する冠動脈バイパス術が必要となります。動いている心臓の表面にある直径1mmの冠動脈にグラフトを吻合することは難しいため通常は人工心肺を用い心臓の動きを止めて手術します。しかし当院では人工心肺による合併症(脳梗塞、呼吸不全、腎不全)を減らすために、高度な技術を駆使して積極的にオフポンプバイパス術(人工心肺を用いないバイパス術)を行っています。
また弁膜症に対しては、弁を人工弁で交換する置換術だけでなく、弁を温存する(修復して治療する)形成術を積極的に行っています。一般的な弁膜症の手術は胸を真ん中で大きく切る方法で行いますが、当院では内視鏡補助下に小さな傷で行うMICSを取り入れています。
大動脈瘤の治療に対しては、折りたたんだ人工血管が収納されたカテーテルを鼠径部の切開創から血管内に挿入し、動脈瘤を内側から覆ってしまう大動脈ステントグラフト治療に当院は岐阜県でも最も早い時期から取り組んできました。ステントグラフトによる動脈瘤の治療の際には、動脈瘤に流入する枝を塞ぐ処理(塞栓術)が必要な場合がありますが、当院では放射線科の血管内治療チームと協力しながら手術を行っています。
さらに外科分野は高次救命治療センターと協力し、急性心筋梗塞や大動脈瘤破裂などの緊急手術を必要とする患者さんを岐阜県全域から受け入れています。