総合患者サポートセンター特集

Vol.52

2023.02.28

特集

総合患者サポートセンター特集
スクリーンショット 2024-04-15 164534.png
    2023年1月に開設した総合患者サポートセンター。
    当センターではプライバシーに配慮した相談室を15部屋備えており、敷地面積は県下最大の668㎡。
    ここでは、入院が決定した患者さんやそのご家族に対して看護師や薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど多職種が連携し、入院前から入院中、退院後までを見据えた切れ目のないサポートをします。
 
 

    患者さんが安心して生活を送ることができるよう、 充実したサポート体制を整えています。 

    スクリーンショット 2024-04-15 171425.png

    入退院支援の流れ

      1. 入院予約が決定した際の手続き
      2. 外来診察の結果、入院が決定したら総合患者サポートセンターの受付 へ。受付をしたら看護師が来るまで廊下でお待ちいただきます。

       
      1. 面談(1回目)
      2. 総合患者サポートセンターの相談室で、看護師が病歴・症状の確認や転倒、 嚥下などのリスク評価を行います。また、管理栄養士が食物アレルギーの有 無、栄養相談を行い、薬剤師が薬剤アレルギーや服薬状況を聞きとります。 特に全身麻酔手術の方には禁煙や呼吸訓練などの方法を説明します。

       
      1. 多職種で情報共有
      2. 看護師のヒアリング結果をもとに、薬剤師、管理栄養士、医療ソー シャルワーカーが連携し、退院後を見据えた対応を協議します。

       
      1. 面談(2回目)
      2. 総合患者サポートセンターの相談室で、看護師が面談1回目に説明し た禁煙や呼吸訓練の進捗を確認。入院中の治療・検査の流れ、生活や 看護についてクリニカルパス*を用いて説明します。また、必要に応じて 手術看護認定看護師や薬剤師、医療ソーシャルワーカーが同席します。
        *クリニカルパス・・・入院中の予定をまとめた計画書
       
      1. 入院当日
      2. 総合患者サポートセンターの窓口にて、入院手続きを行います。健康 保険証や事前にお渡しした書類などをご提示いただきます。

       
      1. 入院中
      2. 退院調整看護師・医療ソーシャルワーカーが、病棟の医師・看護師とと もに、入院時から退院支援を開始します。また、薬剤師、管理栄養士、リハ ビリ専門職、地域関係者等と連携して、在宅調整、転院調整を行います。

       
      1. 退院後
      2. 退院後も通院する場合、看護師、医療ソーシャルワーカーが在宅調 整や介護保険支援申請などのサポートをします。

       

    スクリーンショット 2024-04-16 143048.png

    総合患者サポートセンター 開設にあたって

    スクリーンショット 2024-04-16 142708.png

    入院前からの退院支援を実践。

     入院の目的は治療だけではなく、元の生活に早く戻ることです。「総合患者サポートセンター」は、入院前から入院中、退院後を見据え、患者さんが安心して生活を送れるように設立しました。そこで、私たちが力を入れているのが入院前のオリエンテーション。看護師がアレルギーの有無や服薬中のお薬、栄養状態の確認などをさせていただき、その情報を医師はもちろん、薬剤師や医療ソーシャルワーカー、管理栄養士と共有します。これによって入院中の治療や検査を円滑に進めるとともに、病院食の内容や処方する薬を調整するなどして、患者さんから少しでも入院生活への不安を取り除くことができるよう準備を進めます。
     また、当センターは地域の医療機関とも密に連携し、開業医の方々から入院・転院の相談を受ける際に治療情報を共有するほか、退院後の転院や訪問看護、在宅医療などの手続きまで一貫してサポートします。そのほか、症例によっては「地域連携パス」と呼ばれる診療計画を各医療機関と共有することで、地域全体に標準化した医療を提供することを目指しています。


    総勢53人の医療スタッフによるワンストップサポート。

     当院は、「入院センター」「医療連携センター」「術前管理センター」の3組織による連携体制で行ってきましたが、それらの窓口を集約し、入院前から退院まで切れ目のないサポートをするのが、今回設立した総合患者サポートセンターです。当センターでは、退院後の生活から逆算した「入院前からの退院支援」を行うことで、より安全で質の高い医療を提供できます。また、患者さんが入院から退院後までの流れを事前に知ることができ、安心して入院生活が送れます。
     当センターのスタッフは、患者さんの直接の窓口となる看護師に加え、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど総勢53人のスタッフです。治療や費用面の心配事から、介護保険などの制度や地域のかかりつけ医との橋渡しまで、ワンストップで応えられる体制を目指し、将来的にはドクタークラーク等も加えたい考えです。

       岐阜大学医学部附属病院は県内唯一の大学病院であり、困難な症例に立ち向かう地域医療の最後の砦です。その一方で、地域にとけ込んだ中核病院として、安心して来院いただきたいという思いを、スタッフ一同が持っています。多職種のスタッフが密に連携してその思いをカタチにしてまいりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
     

    お話を聞いた人・・・
    岐阜大学医学部附属病院 総合患者サポートセンター
      センター長・副病院長
    1. 清水 雅仁 先生

    2. 副センター長
    3. 堀川 幸男 先生

    4. 副センター長
    5. 平岡 佐織 副看護部長