心臓病について知る

心臓病とは?

心臓病は、心臓そのものや、心臓に血液を送る冠動脈という血管に不調が生じる病気の総称です。日本人の死因の第2位を占め、高齢化と生活習慣の変化により増加傾向にあります。主に虚血性心疾患、弁膜症、心筋症などがあり、もしそれらを治療せず放置してしまうと、心臓の機能が低下し心不全を発症します。心臓病は早期発見と適切な治療が必要です。また予防のためには食事や運動などの生活習慣の改善が大切です。

正しい知識を持ち、予防と早期対応を心がけましょう。

このページでは、心臓病についての概要をご説明します。

心臓病の種類

心臓病には様々な種類がありますが、主なものは以下の通りです。

タイプ 01

虚血性心疾患

心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化のため狭くなったり閉塞したりして、心臓に十分な血液が届かなくなる病気です。狭心症や心筋梗塞がこれに含まれます。

タイプ 02

弁膜症

心臓の弁に問題が生じ、血液の流れが悪くなる病気です。

タイプ 03

不整脈

心臓のリズムが乱れる病気で、動悸や失神の原因になります。

タイプ 04

心筋症

何らかの原因で、心臓の筋肉の機能が低下する病気です。

タイプ 05

先天性心疾患

生まれつき心臓や血管の構造が正常と異なる状態です。

タイプ 06

心不全

上記の病気が悪化し、結果的に心臓が血液を十分に送り出せなくなった状態です。息切れやむくみ、疲れやすさが特徴です。

心臓病症状

心臓病の症状は多岐にわたりますが、以下のような症状に注意しましょう。

胸の痛みや圧迫感(特に運動時)
息切れや呼吸困難
動悸(心臓がドキドキする)
疲れやすさや脱力感
めまいや失神
足のむくみ

普段と違うこれらの症状があらわれた場合、心臓病の初期症状かもしれません。

すぐに医師に相談しましょう。

心臓病予防

心臓病の多くは生活習慣の改善で予防できます。
特に、下記のような生活習慣を心がけることで、心臓病のリスクを遠ざけることができます。

予防法 01

ストレス管理

趣味や運動などでストレスを軽減しましょう。しっかり睡眠をとることも重要です。過度な飲酒は控えましょう。

予防法 02

喫煙は心臓病のリスクを大きく高めます。

予防法 03

定期的運動

ウォーキングなど、
毎日30分程度運動を行いましょう。

予防法 04

健康的食事

塩分や脂肪を控え、野菜や魚を多く食べましょう。

予防法 05

定期的な健康診断

健診は積極的に受診し、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの有無をチェックしましょう。

心臓病治療

治療法は心臓病の種類や重症度によって異なります。主な治療には下記のようなものがあります。

薬物療法
血圧を下げる薬や血液をサラサラにする薬などを使います。
カテーテル治療
虚血性心疾患には狭くなった血管を広げるバルーン治療やステント留置を行います。不整脈に対するカテーテル治療も行います。また一部の弁膜症に対するカテーテル治療も行っています。
手術療法
冠動脈バイパス手術や弁形成術、弁置換術などを行います。当院では小さな傷で手術ができる内視鏡補助下小切開心臓手術も行っています。
デバイス治療
ペースメーカーや植込み型除細動器を植え込む手術を行います。
生活習慣の改善
食事療法や運動療法も重要な治療法です。

心臓病リハビリ

心臓病の治療後、安全に日常生活に戻るためのリハビリが大切です。当院では、特に、心不全を発症してしまった患者さんには心不全療養指導チームが介入し、多職種で指導させていただきます。

運動療法

医師や理学療法士の指導の下、心臓に負担をかけない範囲内で運動療法を行います。

病気の理解

心臓病や生活習慣について学び、再発を防ぎます。

カウンセリング

不安やストレスに対処する方法を学びます。

栄養指導

心臓に優しい食事のとり方を学びます。

社会復帰支援

仕事や趣味に戻るための準備を行います。

心臓病は命に直結することもある怖い病気です。もちろん、心臓病にならないように予防することが一番大事ですが、もしなってしまっても早期発見と適切な治療、そして生活習慣の改善によって、多くの人が健康な生活を取り戻しています。気になる症状があれば、遠慮なく医師に相談しましょう。