脳卒中センター
脳卒中センターとは
脳卒中は「専門性」と「時間との闘い」の2つの面を両立させる形で対応しなければならない疾患です。2018年に制定された脳卒中・循環器病対策基本法に基づき、住む地域によらず適切かつ迅速な治療が提供されること(診療の均てん化)を目指し、24 時間 365日対応で血栓溶解薬(アルテプラーゼ)静注療法が行える施設が「一次脳卒中センター(PSC)」として県内各医療圏で認定されています。
当院はさらに、「一次脳卒中センターコア施設(PSCコア)」の認定を受けており、岐阜医療圏内で血管内治療による血栓回収療法が必要な患者さんを24時間365日体制で受け入れ可能です。また、PSCコア施設として県内でも随一の診療体制を有しており、岐阜医療圏のみならず、県内の脳卒中診療の最後の砦として、重症患者さんや高難度治療が必要な患者さんにも対応しています。
対象となる疾患
脳卒中は図のように、虚血性脳卒中(脳梗塞:血管が詰まる)と出血性脳卒中(血管が破れる)に大別されます。脳梗塞はさらに3病型に分類され、出血性脳卒中は原因、出血部位によって脳内出血とクモ膜下出血に分けられます。
これら全ての脳卒中と一過性脳虚血発作 (脳梗塞の前兆) が、脳卒中センターの主な対象疾患となります。各病型に応じて、救急診療、外科手術を含めた急性期治療、早期からのリハビリテー ション、脳卒中に関する相談支援まで、高い専門性を持ったスタッフが連携して対応します。
脳卒中センターの機能
- 高度な急性期治療の提供
- 脳卒中の病型や重症度、患者さんの状態に応じて推奨される治療法が異なります。内科治療・血管内手術・手術を含め、個々の病状に合わせた最善の治療法を提供します。
- 先進医療・新規治療の創出
- 脳卒中はひとたび起こってしまうと、回復が難しい側面もあり、新たな治療法の創出が不可欠 です。このため、先進的治療や新規治療を目指した研究にも積極的に取り組んでいます。
- プロフェッショナルの育成
- 脳卒中患者さんやご家族を発症から継続的にサポートするためには、専門的な幅広い知識が必要となります。多職種にわたってプロフェッショナルな人材育成を図ります。
- 地域医療機関との連携
- 脳卒中ホットラインを導入し、地域の患者さんを幅広く受け入れています。また、回復期リハビリテーションや慢性期診療においては、地域医療機関・かかりつけ医と密接な連携、調整を行います。
- 脳卒中の情報収集と発信
- 医学は日進月歩であり、脳卒中治療も例外ではありません。世界中の脳卒中に関する最新の知見の収集に努め、情報発信することで、岐阜県の脳卒中診療をリードする役割を担います。
診療実績
脳神経内科
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疾患名 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
脳脊髄の感染を伴う炎症 | 17 | 7 | 6 | |
ニューロパチー | 13 | 24 | 28 | |
運動ニューロン疾患等(脊椎性筋萎縮症) | 41 | 37 | 32 | |
パーキンソン病 | 19 | 20 | 24 | |
基底核等の変性疾患(ハンチントン病等) | 34 | 36 | 33 |
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疾患名 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
脳梗塞 | アテローム血栓性脳梗塞 | 4 | 3 | 4 |
心原性脳塞栓症 | 1 | 1 | 2 | |
ラクナ梗塞 | 1 | 4 | 5 | |
その他の脳梗塞 | 7 | 11 | 9 | |
TIA | 1 | 0 | 5 | |
脳出血 | 1 | 1 | 2 |
脳神経外科
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手術・治療名 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
t-PA静注療法 | 20 | 20 | 8 |
経皮的脳血栓回収術 | 21 | 30 | 22 |
脳動脈瘤クリッピング術 | 10 | 13 | 9 |
バイパス術・頸動脈血栓内膜剥離術 | 30 | 15 | 37 |
脳内出血除去術(うち神経内視鏡手術) | 10(1) | 23(6) | 13(2) |
脳動脈瘤血管内治療 | 55 | 63 | 60 |
血管内手術(ステント留置術) | 38 | 29 | 21 |