第3回 病院長のゆかいな仲間たち

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病院長×誠仁会
岐阜大学医学部附属病院   小倉 真治 病院長
一般財団法人 誠仁会 藤山 寿秋 太和田 陽子

病院内のサービスを多方面から支える

小倉 誠仁会という組織を、患者さんをはじめ、職員でもあまりよく知らない人が多いと思いますので、いつから、どういう仕事をされているのか教えてください。
藤山 岐阜大学病院が寄付金を募り、1973(昭和48)年に設立した一般財団法人です。売店や喫茶、レストラン、駐車場などの事業を行い、収益を病院に還元するという組織です。

小倉 大学病院にあるローソンやタリーズの運営をされていますね。

藤山 患者さんや来店される方に配慮したサービスを行っていくために、少しでも便利の良いような店づくりに努めていますが、病院にある店舗ですので、体の不自由な方をサポートできる体制をしっかり整えたいと思っています。また、レジの処理でも、現在4台ありますが、一番込み合う昼時は、フル稼働で対応しても列ができて並んでいただいている状態ですので、もう少し広めのスペースを確保してレジを増やしたり、並び方を工夫したり、少しでも改善したいと考えています。

小倉 患者さんが利用する駐車場の料金も病院側の意向で値上げしましたが、反応はいかがですか。

藤山 満車の状態が続いていましたので、必要な判断だったと思います。思い切った発想の転換をしていただきましたので、利用しやすい駐車場になってきたと思っています。実際、満車になることはほぼなくなり、柳戸に移転してから一番いい状態にあると見ています。

小倉 クレームは来ていませんか。

藤山 しっかり理由をお話させていただき、病院として必要な値上げだったと理解していただいています。いただいているのも最低限の100円(24時間)です。病院の駐車場を改善していく運営資金に利用させていただいています。

小倉 誠仁会の協力あってのことと思います。太和田さんどういうお仕事をされているんですか。

太和田 仕入れたお弁当を、病棟をはじめ、大学の先生方にも届けています。教職員サービスの一環として、先生方が昼食を買いに行く手間を省こうということで司町のころから始まりました。担当して17年になります。そのほか、会報などの郵便物を仕分けしたり、患者さんが使われたおむつ代の伝票を切り、入金があったら帳面上で消したりしています。

小倉 知らなかったですね。お弁当は何種類あるんですか。

太和田 お弁当は1種類ですが、7~8種類入って、380円です。

小倉 今度頼んでみます。レストランのファインは岐阜グランドホテルが入っていますね。

藤山 はい。レストラン業務は病院が直接契約していますが、設備などの経費面で関わっています。レストランの経営も厳しく、経費面をサポートしています。

小倉 病棟の移動販売も担当されていますよね。

藤山 患者さんの中には動けない方もいらっしゃるので、少しでもお役に立てれば―ということで、患者サービスの一環でやらせていただいています。利益追求というよりは、患者さんにサービスを還元できるように務めています。郵便局も同様で、病院内にあったほうが便利ですので、補填しながら事業を継続しています。

小倉 ファクス送信コーナーも事業ですか。

藤山 はい、院外処方せんファクスコーナーを担当しています。規則上、病院が業務を行えないことをサポートしており、病院が発展するように貢献していきたいと思っています。

◇   ◇   ◇

小倉 岐阜大学病院について感じていることは。

藤山 「全体で一致団結して築き上げていこう」という意思表示を感じます。私たちも心が温まりますし、信頼して仕事することができています。

小倉 私自身も意識しています。大学病院は「垣根が高い」と言われ続けてきて、どうやったら下げることができるかを考えてきました。今、来ている患者さんが口コミで広めていくと思っているので、患者さんにとって、「垣根が下がっている」と実感していただいているのを期待して、いろいろな企画を考えてきました。大学病院は、これだけ良い医療を提供していながら、「何となくとっつきにくいよね」というのは、患者さんにとってもあまりハッピーなことではないですからね。

藤山 病院としてチーム感がありますね。

小倉 患者さんが感じてくれているといいんですけどね。

藤山 独自に発行した『岐阜大学医学部附属病院のここがすごい』も評判が良かったです。患者さんも自分のかかっている先生に興味があり、目を引いていました。今までなかった本で、業者の皆さんも買っていかれました。大学病院や先生方に興味がわいたり、距離が縮まったりして、患者さんと近づいてきていると感じています。

太和田 3週間入院した時に、タリーズでお茶したり、看護師さんにお世話になったりして、特に不自由もなく、看護師さんも親切で、いやな思いは全くありませんでした。

小倉 患者さんの経験でさらに誠仁会の活動に感じることはありましたか。

太和田 誠仁会が関わっていることを患者の立場で再認識しました。

◇   ◇   ◇

小倉 今後のサービス展開をどのように考えていますか。

藤山 小倉あんこは、病院の新しいサービスづくりとして、誠仁会と大学病院とコラボレーションしてやらせていただいてきました。とても好評で、出張でお土産に持って行かれると、一つの話題になってお話ができる良いきっかけになっていると聞きます。岐阜大学病院はおもしろいことをやっていると、多方面で刺激になっていて、次の展開も模索しています。

小倉 例えば、マグカップなどのグッズもあるといいのでは。

藤山 どんどん病院と関わって、オリジナリティを出せていけたらと思います。

小倉 岐阜大学のノベルティグッズもいいですよね。

藤山 ぜひ、岐阜大学ともコラボできたらいいと思います。クリスマスのイベントなども含めて、今までなかった新しいことが病院全体で増えてきています。「おもしろい」「楽しい」という取り組みに、誠仁会も取り込んでいただきながら、一緒にタッグを組んでやっていきたいです。

小倉 これまで何となく知っているような思いでいましたが、知らないことがいっぱいありました。今回の記事で皆さんが誠仁会のことを理解していただいて、よりご利用いただけるようになればいいのではと思います。

【誠仁会とは】
岐阜大学医学部附属病院が寄付金を募り、1973(昭和48)年に設立した一般財団法人。病院がこれまで事業として運営することが難しいとされてきた売店や喫茶、レストラン、駐車場などの事業を行い、収益を病院に還元している。病院内では、駐車場の管理をはじめ、ローソン、タリーズ、介護・医療用品売店、郵便局、移動売店、レストラン「ファイン」、理・美容室「モモタロー」など、幅広く業務を行っている。ロゴマークはサーブちゃん。岐阜を代表する鵜飼の鵜と、誠仁会のSおよび「奉仕する」「役立つ」などの意味を表すServeの頭文字Sで形取り、オレンジ色は鵜飼のかがり火と岐阜大学のスクールカラーを兼ねた橙色としている。

【過去の様子】

第一回 病院長×保安職員

第二回 病院長×医療ソーシャルワーカー

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▲藤山 寿秋
▲藤山 寿秋
▲太和田 陽子
▲太和田 陽子