診療内容

消化器疾患、血液疾患を中心に診療を行っています。

診療内容

消化器疾患、血液疾患を中心に診療を行っています。

肝臓

肝がん

我が国での肝がん患者数は年々減少傾向にありますが、当院での新規肝がん患者数も年間30例から40例とやや減少傾向なっています。発がんの背景因子としてこれまではC型肝炎・B型肝炎ウイルスに起因した発がんが約80%を占めていましたが、近年では糖尿病、高脂血症、肥満といった生活習慣病を背景とした発がんが増加しており、当院でもおよそ40%程度にまで増加しています。

肝がんの診断は生検(超音波ガイド下に腫瘍を直接穿刺し、細胞を採取する検査です。)による出血や播種のリスクがあることから病理診断が必須ではありません(図1)。代わりに造影CTや造影MRIを用いて、腫瘍の血流評価を行うことで確定診断をします。当院では最新のCT、MRI、超音波機器を導入しており、小さな早期肝がんを検出することが可能です。

肝がんの治療には外科的切除、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)、分子標的薬治療、肝移植などがあります。当院では治療アルゴリズム(図2)に準じて、可能な限り根治を目的とした外科的切除やラジオ波焼灼術(RFA)を行っています。RFAとは超音波ガイド下に肝がんを穿刺し、ラジオ無線の周波数(450~480kHz)の高周波を用いて、針周囲の組織を熱凝固させる方法です。適応は大きさが3cm以内で、個数が3個までとされています。超音波検査だけでは発見が困難な小さな病変の同定や、穿刺治療をより安全で正確に行うために、CT・MRIのデータから作成した画像を、超音波画像とリアルタイムで同期させるRVS(Realtime Virtual Sonography)を用いて治療レベルの向上を図っています。また外科的切除やRFAができない肝がんに対してはTACEを行っています。TACEとはがんを栄養している動脈(主に肝動脈ですが、近くの臓器から栄養を受けているがんもあります。)に抗がん剤を注入後、塞栓物質にて動脈を塞栓し、兵糧攻めにする治療です。この治療法はがんに関係した血管を捜し出す能力と、その血管に細いカテーテルを到達させる技術が融合することで可能になります。当院ではIVR-CT(血管造影装置にCTがついています。)を導入しており、検査中に3Dの画像を作成し、がんに関係した何本もの細い血管を捜しだす放射線技師と、高度なカテーテル技術を備えた医師がチーム一丸となって治療効果の高いTACEを行っています。

2009年より新たな治療として肝予備能(Child-Pugh分類:図3)が良好な進行肝細胞がんでは分子標的薬を用いた化学療法が可能となりました。2021年1月の時点でソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、ラムシルマブ、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用、カボザンチニブの投与が認可されていますが、それぞれの薬剤で適応条件が異なること、分子標的薬に特有の副作用があることなどから、十分な経験と知識を持った医師が治療を担当しています。また多発肝がんや門脈腫瘍栓など治療困難症例に対しても、放射線治療を併用するなど集学的治療により治療効果の向上を試みています。

我々肝がんチームは以下の項目を信念として日常診療を行っています。

  1. がん拠点病院および肝疾患診療連携拠点病院として岐阜県内の各病院と連携をとりながら診療を行っています。
  2. 病態に合わせた治療法を組み合わせ、可能な限り生存期間を延長することを目指しています。
  3. 臨床研究を多施設と共同して行い、その結果を実臨床に反映することにより、最新の知見に基づいた最善の治療を行えるよう心がけています。
  4. 後進の医師教育を積極的に行い、将来の肝臓専門医や肝臓疾患に興味を持つ医師を多く育成することにより、各地域での医療格差の是正に努めています。
  5. 最新の医療設備を導入し、画像読影能力、検査・治療技術の向上を目指し、その中で全人的な医師の育成に努めています。
  6. 市民公開講座や肝炎友の会での講演を通して地域の皆様の肝疾患に対する知識の向上を図っています。

2020年の施行件数

新規肝がん患者 37件 腹部超音波 264件 造影超音波 32件 ラジオ波焼灼術 22件 腹部血管造影 84件

肝硬変・栄養

肝臓は生命を維持するために必要な栄養(糖質、脂質、蛋白質など)を合成・貯蔵する臓器です。そのため、慢性肝炎が進行した肝硬変では、蛋白・エネルギー低栄養状態(PEM:Protein-Energy Malnutrition)を高頻度に認めます。PEMは肝硬変合併症(肝性脳症、腹水、サルコペニア、感染症など)のリスクを増加させ、予後や生活の質(QOL:Quality of Life)に悪影響を及ぼします。岐阜大学第一内科栄養グループは、肝硬変患者さんの予後やQOLを改善するために、栄養評価と栄養療法に関する診療・研究に取り組んでいます。

外来診察時や入院時に、(1)身体計測(身長・体重・筋肉量・脂肪量の測定)、(2)エネルギー代謝測定(間接カロリーメーターを用いた消費エネルギー量やエネルギー燃焼基質の測定)、(3)サルコペニアの評価(筋力やCT画像・生体インピーダンス法を用いた筋肉量の測定)などを行い、患者さんごとに栄養状態を評価します。さらに、これらの検査を繰り返し実施することで経時的に栄養状態の変化を評価し、最適な栄養療法を行っています。また低栄養のリスクがあると判断された患者さんには、分岐鎖アミノ酸(BCAA:Branched Chain Amino Acids)の投与や、就寝前軽食(LES:LateEvening Snack)などの栄養療法を積極的に行うことで、肝機能・予後・QOLの改善に取り組んでいます。

当科における栄養評価・栄養療法に関する診療や研究の成果は、国内のみならず海外からも高い評価を得ています。栄養グループは、日本における肝硬変治療の指針である「肝硬変診療ガイドライン2020 改訂第3版: 編集日本消化器病学会・日本肝臓学会」や、「肝疾患におけるサルコペニア判定基準: 日本肝臓学会」の作成に協力しています。また当科から発信された成果は、欧州肝臓学会(EASL:European Association for the Study of the Liver)や欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN:European Society for Clinical Nutrition and Metabolism)など世界のガイドラインにも採用されています。

また肝臓病に限らず様々な疾患において、個々の患者さんの栄養状態を把握しその改善を計ることは、薬物や手術などの治療効果を高めることが分かっています。当院では医師・薬剤師・管理栄養士・看護師などによって構成される栄養サポートチーム(NST:nutritional support team)を組織し、患者さんも交えてディスカッションしながら、疾病治療あるいは予防のための栄養治療を積極的に行っています。

消化管

消化管疾患の診療は、すべての消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)のがん・腫瘍・ポリープ、炎症性疾患、小腸疾患、機能性疾患の全てに対応できる診療しています。
特に早期癌に対する内視鏡治療に力を入れており、数多くの症例を手掛けています。

がん・腫瘍・ポリープ

  1. 早期がんを正確に発見し診断できるように最新の内視鏡機器で検査を行っています。特殊光(NBI観察)を用いたり、拡大内視鏡を用いて内視鏡治療で治癒できる病変を発見することと、正確に診断することを目標にして検査を行っています。必要に応じて、特殊染色(クリスタルバイオレット)を用いた拡大観察も行っております。超音波内視鏡による深達度(がんの進行度)診断も行っています。
  2. 患者さんに苦痛の少ない検査を行うために、希望される方には鎮静剤を使用して内視鏡検査を行っています。また上部消化管内視鏡(胃カメラ)、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)では、炭酸ガス送気による検査を行っています。従来の空気の送気に比べて、術後の腹部の膨満感(張った感じ)がとても少なくなり、楽な検査を受けることが可能です。
  3. ポリープ・腫瘍・早期癌の内視鏡治療では、従来の内視鏡治療であるポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)に加えて内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を数多く多くの患者さんに対して施行しております(図1)。従来では外科手術でなければ治療できなかったような大きな病変でも、深達度が浅い病変であれば内視鏡で一括切除が可能です。また、病変を残さず、一括で切除するため、正確な病理診断が可能です(図2)。切除後に局所再発やリンパ節転移の可能性が高い病変を正確に診断し、適切に外科切除を追加して確実に治癒する治療を心がけています。ESDに際しては炭酸ガス送気で行います。内視鏡治療では穿孔といった偶発症の可能性が一定の頻度でありますが、偶発症発生時にも炭酸ガス送気で行うことにより重篤化を防ぐ効果があります。炭酸ガス送気で内視鏡治療を行う場合には血中の炭酸ガス濃度をモニターしながら安全に治療できるようにしています。
  4. 切除で治癒させることができない食道、胃、大腸などの進行癌に対しては、 化学療法あるいは化学放射線療法で治療します。常にその時点での最も有効な、また標準的な治療を行い、患者さんのQOLを考慮した治療を行います。化学療法の治験も行っております。
  5. 当院では2017年より光線力学療法(PhotodynamicTherapy:PDT)を導入しております。化学放射線療法(CRT)または放射線療法(RT)後の局所遺残・再発食道癌に対する治療法です(図3)。PDT治療を実施できる施設は少なく、現時点(2021年1月現在)で岐阜県内においては当院だけです。化学放射線療法(CRT)または放射線療法(RT)後の再発病変に対する治療(手術など)は侵襲の大きな治療となります。PDTは内視鏡治療であり、低侵襲な治療です。

炎症性腸疾患

  1. クローン病の治療:適応があれば生物学的製剤を積極的に使用するようにしています。使用前の感染症スクリーニングや使用中の呼吸器症状に関しては呼吸器内科と連携して、正確な全身状態の把握に努めています。また、投与中のアレルギー反応や投与開始後の感染症の合併など注意深く観察することが必要ですが、当院では内科外来処置室や外来化学療法室で導入から維持まで施行可能で、スタッフが患者さんとコミュニケーションをとりながら治療します。また、症状悪化時には受診日、変更して対応しております。数種類の生物学的製剤を使い分けて加療していきますが、効果が不十分な患者さんや、それらの治療を希望されない患者さんでは栄養療法や血球成分除去療法も行います。腸管の狭窄に対しては、外科手術以外に内視鏡を用いた内視鏡的バルーン拡張術も施行します。
  2. 潰瘍性大腸炎の治療:治療指針に沿った治療をすべて施行可能です。軽症の患者さんには内服薬、注腸剤、坐剤を病状に合わせて使用し治療します。ステロイドは従来通り、プレドニゾロンを中心に使用し、再燃時に増量し、症状軽快後はなるべく中止するようにし、ステロイド依存の患者さんを作らないように心掛けています。ステロイド抵抗性や依存性の患者さんには、アザチオプリンや6-MPの併用を選択します。副作用が出やすい薬剤ですが、事前にNUDT15遺伝子多型を調べることで投与量を調整し内服の継続が可能になるように工夫しています。難治性の患者さんにはタクロリムスや生物学的製剤の投与を検討します。タクロリムスは高い治療効果を得ています。岐阜大学医学部附属病院は腎臓移植施設であるため、タクロリムスの血中濃度を院内で測定可能です。検査部、薬剤部の協力を得て院内で血中濃度を速やかに測定し、その検査結果を薬剤師が分析し、受診後1-2時間で次の投与量が決定されるシステムを構築しています。タクロリムス治療開始後非常に早く有効血中濃度を達成することが可能で、早く症状を改善させることができます。生物学的製剤での治療も難治性潰瘍性大腸炎に対して施行しています。ステロイド依存性の難治性潰瘍性大腸炎に対する効果と、寛解を維持するための投与が可能であり長期の寛解維持効果に期待をしています。
  3. 血球成分除去療法は難治性潰瘍性大腸炎の患者さんと、一部の大腸型のクローン病の患者さんに治療を行っています。臨床工学技士(ME)や、血液浄化部のスタッフと共同で施行しています。状態の悪い患者さんは入院で行うこともありますが、外来通院で治療する場合が増えています。薬剤の副作用のほとんどない治療として安全に施行しております。治療は従来の週1回の治療から、患者さんの状態や希望に合わせて、週3回まで治療回数を増やしています。これにより効果発現までの期間の短縮が得られています。
  4. 炎症性腸疾患に関しては治験も行っています。現在、炎症性腸疾患に対して効果的な薬剤が多く登場していますが、それでもすべての患者さんに効果があるわけではございません。なかには、日本で保険適応となっている全ての薬剤を使用しても症状が改善されない患者さんもおられます。治験によって生み出される新しい薬剤は、そうした難治の患者様の希望となります。治験について興味のある方は、担当医にお尋ねください。

小腸疾患の検査と治療

当院ではバルーン小腸内視鏡、カプセル内視鏡を用いて数多くの小腸精査を行っております。(図4)

  1. ダブルバルーン小腸内視鏡;従来、暗黒の臓器として検査や治療が難しかった小腸に対しても検査治療を行っています。ダブルバルーン小腸内視鏡を早い時期より導入し積極的に施行しています。小腸の出血や腫瘍に対しダブルバルーン小腸内視鏡、シングルバルーン小腸内視鏡の両機器をもちいて診療しています。バルーン小腸内視鏡は生検を含む検査のみならず、出血病変の止血や、腫瘍の内視鏡的切除、狭窄のバルーン拡張などの治療が可能となっています。炭酸ガスの送気で施行しております。患者さんの苦痛が少ないことや、万が一の腸管の損傷などの合併症発生時に身体に対する悪影響を少なくすることができます。
  2. カプセル内視鏡;カプセル内視鏡による小腸の検査を施行しています。小腸からの出血が疑われる患者さん、小腸病変が疑われる患者さんに適応があります。侵襲の少ない検査です。胃、十二指腸、大腸に病変のない消化管出血の患者さんに対しては、緊急での検査を含めカプセル内視鏡を施行し、より早い診断と、それに基づいた適切な治療を行うようにしています。

機能性消化管疾患・消化管狭窄

  1. 機能性消化管疾患は近年患者さんの潜在的な多さなどから注目を集めています。当科では、新たに多チャンネル食道内圧測定システム(High-resolution manometry)を導入し、食道アカラシアをはじめとする疾患に対して機能検査による正確な診断を行います。また、その診断に基づき適切な治療を提示させていただきます。
  2. 消化管狭窄に対しては、内視鏡的バルーン拡張術やステント留置術を行います。消化管ステントはカバー付きのもの(一部あるいは全部)、カバーなしのものなど状況に合わせて最適なステントを選択します。

膵臓/胆のう・胆管

膵臓がん/胆のう・胆管がん

日本における部位別がん死因で、膵臓がんは肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4番目、胆嚢・胆管がんは6番目に多く、年間それぞれ約34,000人、約18,000人の方が亡くなっています。

小さな癌をみつける!

膵臓がんは治療が難しい"がん"の代表です。7割近い患者さんが発見された時点ですでに手術ができないほど進行しています。このため、膵臓がんの治療成績を良くするには、まず手術ができる状態の小さな癌を発見することが重要です。この目的のために近年開発されたのが、内視鏡(胃カメラ)の先端に超音波観測装置を装備した超音波内視鏡(EUS)という機械です。EUSは膵臓や胆のう・胆管といった胃や十二指腸の近くにある臓器を明瞭に観察することができるため、小さな病変やわずかな異常も発見することができます。検査は通常の胃カメラより少し時間がかかりますが(10~15分程度)、鎮静剤(眠り薬)を使用するため楽に受けられます。当科では、小さな膵臓がん、胆嚢がんの発見のために積極的にこの検査を行っています。

小さな癌をみつける!

体に傷をつけずに病巣から細胞をとる!

"できもの"が悪性か良性かを診断するには、細胞をとって検査すること(病理診断)が必要です。胃や大腸のポリープであれば、内視鏡で簡単に細胞をつまんでとること(生検)ができますし、肝臓もエコーで見ながら針を刺して比較的簡単に細胞をとること(針生検)ができます。しかし、膵臓は胃の裏側にあるためこうした生検がこれまで困難でした。しかし、EUSを使えば、胃や十二指腸から針を刺して簡単に細胞をとることができます。これが超音波内視鏡ガイド下針生検(EUS-FNA)という方法で、最近では膵臓だけでなく、体の外からの生検が困難な縦隔(胸の中)やお腹の中の様々な臓器の"できもの"やリンパ節の細胞を簡単かつ安全にとることができるようになりました。当科で行うこの検査の年間件数は国内最多であり、日本を代表する指導施設です。

膵がん・胆管がん、胆のうがんを
抗がん剤で治療する。

CT、MRIなどの画像に併用して、超音波内視鏡や内視鏡的逆行性胆道膵管造影などのなどの内視鏡検査を行い、低侵襲でより正確に膵がん、胆管がん、胆のうがんの診断、その進行度を判断します。手術ができず抗がん剤治療を必要とする場合には、最新の知見に基づいた治療を行っています。

胆管の中を直接視る!

胆管は肝臓でつくった胆汁(脂肪の吸収を助ける液)を十二指腸に運ぶ管です。近年、機械の開発により内視鏡を極めて細くすることが可能になり、胆管の中を内視鏡で直接観察することができるようになりました。通常の内視鏡の中に細い内視鏡(胆道鏡)を挿入し、十二指腸にある胆管の出口からこの胆道鏡を挿入して胆管内の病変を観察します。胃や大腸の内視鏡検査と同様に病変部の生検を行うことはもちろん、さらに最近では特殊な光を当てて異常な病変部を強調することもできるようになりました。また、胆管の中の胆石に直接レーザーを当てて破砕することもできるため、これまで治療が難しかった胆管の中のひじょうに大きな石や取り出しにくい場所にある石も、治療を行えるようになりました。

血液

血液グループ

血液グループでは、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫に代表される造血器悪性腫瘍に対する診療を中心として、再生不良性貧血、溶血性貧血や血小板減少症、さらには血友病や血栓性血小板減少性紫斑病などの凝固異常症も含め、幅広く血液疾患全般の診療に当たっています。

常に最新の標準治療を行うことを治療方針の中心に置き、その中で患者さん1人1人の生活環境や生き方に即した全人的な医療を心がけています。一方で、新規治療法の開発を目的として複数の多施設臨床試験グループ(リンパ腫・骨髄腫の治療開発を中心としたJCOG、骨髄不全症も対象にしたW-JHS、移植治療を中心に臨床研究を行っているJSCTなど)に参加し、新たなエビデンス構築へ少しでも貢献できるように取り組んでいます。また、当科の特徴を活かし、消化管リンパ腫化学療法時の穿孔リスクを考慮した治療戦略研究や、栄養指標が造血器腫瘍の予後に与える影響など各種臨床研究を行っています。

当科は病院東8階に12床の無菌室(個室4床、4人部屋8床)を有し、難治性造血器腫瘍に対して血縁者間及び非血縁者間同種造血幹細胞移植(骨髄移植や臍帯血移植)、および自己末梢血幹細胞移植を年間25〜30例施行しています。看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士などを含めた多職種のサポートを得て、質の高い安全な移植医療を目指しています。

また、診断後早期に緩和ケアチームの介入を依頼し、患者さんやご家族が安心して治療を受けられるような環境整備に努めています。

すべての患者さんに「当科を受診して良かった」と言っていただけるような診療を目指しています。

感染症(HIV/AIDS)

日本では未だにHIV感染症は増加傾向にあります。HIV感染症はすでに致死的な疾患ではなく、慢性病として位置づけられるようになりました。適切な薬物療法により健常人に近い寿命が期待できる時代です。われわれは、岐阜県における都道府県中核拠点病院の診療科ならびにエイズ対策推進センターとして、医師、AIDS専門薬剤師、看護師、カウンセラー、ケースワーカーなどが協力しながら、包括的診療を行っております。