肝臓病克服のために早期発見・早期治療が重要です。肝炎治療に関する事なら、なんでもご相談ください。
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岐阜大学医学部附属病院 肝疾患診療支援センター
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センター長挨拶

肝疾患診療支援センター長 消化器病態学 教授 清水雅仁

肝臓病克服のために

肝臓は、“沈黙の臓器”と言われています。
それは、肝臓に病気があっても痛みを感じないことや肝臓が本来持っている機能(予備能と言います)が大きいため少しぐらいの障害では症状が現れないことによります。つまり肝臓の病気は、症状が出現したときには病気がたいへん進行していることが多いのです。

肝臓の病気は、病気の進行度によって、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変に分類されます。急性肝炎の場合、一部に劇症肝炎といって非常に死亡率の高い状態の人もいますが、通常は後遺症も残さずに治ってしまう人が殆どです。問題は、慢性肝炎、肝硬変です。慢性肝炎、肝硬変の原因には、多くのものがありますが、日本において最も重要なのはウイルス性肝炎です。肝臓に病気を引き起こすウイルスには、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎があります。その中で、慢性肝炎、肝硬変の原因となるのは、B型肝炎とC型肝炎です。日本でB型肝炎に罹っている人は120万人~140万人、C型肝炎に罹っている人は150万人~200万人と言われています。

このように、肝炎は国内最大の感染症ですが、実際に診断され、治療を受けている人は半数以下と考えられており、B型肝炎、C型肝炎に罹っていながら、知らないでいる多くの人がいます。現在、日本では、1年間に約4万5千人の方が、肝臓の病気で亡くなられており、その中で約3万人の方が、肝臓癌が原因で死亡されています。肝臓癌の原因が何なのかを調べてみますと、75%がC型肝炎で、15%がB型肝炎であり、肝硬変、肝臓癌の実に90%が、B型肝炎とC型肝炎によって引き起こされていることが分かっています。

このように、重大な病気を引き起こすウイルスでありながら、その感染を知らない多くの人がいることは問題です。早期発見・早期治療が重要です。一生に一度で良いので、B型肝炎やC型肝炎に感染していないかどうかを調べて下さい。保健所や一部医療機関で肝炎ウイルス検査が原則無料で受けられますし、市町村で行われている健診でも検査が受けられるようになっています。ご自身でB型肝炎やC型肝炎の感染の有無をご存じない方は、検査をお薦めします。

検査で陽性と言われた方は、少なくとも一度は肝臓専門医療機関を受診して下さい。そこで、現在の病気の状態はどうなのか、治療が必要かどうか、今後の診察をどのように行えば良いのかを診断してもらって下さい。岐阜県においては、岐阜大学病院が肝疾患診療連携拠点病院の指定を受けており、肝臓の病気の診療や相談業務を行っていますし、13カ所の肝炎診療専門医療機関が各地区に設けられています。慢性肝炎や肝硬変の初期の段階で適切な治療を行うことで、肝硬変や肝癌といった命に関わる病気を予防することが可能です。

肝炎の治療には、インターフェロン、プロテアーゼ阻害剤をはじめとする直接作用型抗ウイルス剤、核酸アナログ製剤などウイルスを退治する治療法とグリチルリチン製剤やウルソデオキシコール酸といった肝庇護剤を投与して病気の進行を遅らせる治療法があります。平成20年4月1日から肝炎治療助成制度が開始されました。これは、B型およびC型肝炎のインターフェロン、プロテアーゼ阻害剤や核酸アナログ製剤治療にかかる医療費を助成し、個人の負担額を軽減する制度です。

インターフェロン治療、直接作用型抗ウイルス剤にかかる医療費が高額であることより、自己負担限度額を超えた分の医療費が助成されます。詳しくは、各地区の保健所や保健センターにお尋ね下さい。

私共は、肝炎患者さんの健康管理を目的に、肝疾患手帳を作成しました。この中に、診療データの経過表とともに治療助成制度のことも詳しく記載しております。
保健所や医療機関に置いてありますので、診察にお使い頂ければ幸いです。各種治療時の経過を記録し、通院・治療に役立てていただくことによって、より質の高い外来診療が可能になると思います。長期間の経過を記録していただくことで、血液検査の変化をより早期に発見でき、定期的に画像検査や内視鏡検査の予定を立てることができると思います。
ご自身の病気の理解のため、またかかりつけ医と病院の専門医との診療情報の共有のためにも重要なデータとなります。
肝臓病の克服のために、主治医の先生とともに肝疾患手帳を活用されることを願っています。


 
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