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麻酔科疼痛治療科

科長 教授 飯田宏樹
Iida Hiroki
痛み(ペイン)と一口でいっても、刺すような・えぐるような・締め付けるような・焼けるようななどその表現様式や程度は様々で個人個人によって訴えが違います。しかし、共通していることは非常に不愉快で、恐ろしく、嫌なものの対象となっており、誰もが逃れたい・避けたいと思っていることです。このような難儀な状態である痛み(ペイン)に対して、主として神経ブロック法を応用して診断と治療を行う専門の診療部門(痛みの診療所)が、麻酔科・疼痛治療科(ペインクリニック)です。もちろん、薬物療法、電気刺激療法など理学療法なども補助的に併用されます。
また、麻酔科という字からもわかるように、手術を受けられる患者さんに対するあらかじめの評価・コンサルテーションを行い、患者さんの麻酔や手術に対する不安の軽減を図るとともにより手術という治療のために、より安全に麻酔を提供するように努めています。
神経ブロックとは
細い注射針を用いて、神経やその近くに薬を注入して神経の興奮伝導を遮断します。例えば感覚神経ブロックでは皮膚などがしびれて痛みを感じなくしますし、運動神経ブロックでは筋力が低下したりします。交感神経ブロックでは、その支配部位の血行が良くなったり、痛みが軽くなります。神経が遮断されると聞けば、感覚がなくなったり、手足が動かなくなったりと心配される方もありますが、一時的に遮断する方法と長期的に遮断する方法があって、それぞれ用いる薬を症状や病気により使い分けるので心配はいりません。この方法は痛みの感覚の遮断のみならず、交感神経をブロックし局所の血流を改善し、組織の損傷(きず)の治癒過程を早めます。

主な疾患

帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹の後の痛み)

帯状疱疹は皮膚に帯状の皮疹と、その部位の神経痛が突然出現する疾患であり、疱疹が出現した部位に一致して知覚障害のみならず運動障害が生じます。更には脳脊髄炎の症状を呈することもあります。通常は発病後 2 週間が痛みも強く夜も眠られないほどです。そして経過を通じて皮疹など他の症状が消失しても痛みだけが残る場合があります。この痛みを帯状疱疹後神経痛と呼び、治療に難渋する疾患のひとつです。したがって、本疾患の最良の治療方法はその神経痛発症の予防・防止にあり、特に発病後できる限り早期に神経ブロックをはじめることが大変重要です。

三叉神経痛

発作性激痛が三叉神経支配領域に生じる疾患で、軽く顔に触ったり、歯を磨いたり、会話・咀嚼など口を動かしたりすることにより激痛発作( 20 秒位、長くても 2 分以内)が誘発されます(トリガーポイントの存在)。発作が終われば痛みは無く普通の状態に戻ります。この痛みは入浴によって軽減したりします。また夜間就眠中は痛みで目が覚めることは殆んどありません。治療法としては有効な薬物療法も存在しますが、アルコールによる三叉神経ブロックやガッセル神経節ブロックなどの神経ブロック療法があり、診断が正しくブロックが確実に行われれば非常に有効な治療方法です。

頭痛

頭痛は、日常皆さんの周りにも数多く訴える方がいらっしゃると思いますが、その訴えも人それぞれでバラエティーに富んでいます。この頭痛にはすぐに適当な処置を必要とする急性頭痛と何年も同じように痛む慢性頭痛があります。ペインクリニックの適応となるのは主に慢性頭痛です。これには片頭痛・群発頭痛・緊張性頭痛などがあり、それぞれ有効とされている薬物がありますが、神経ブロックと組み合わせることによってさらに効果が発揮され、症状が軽減する方が多く見えますので試す価値はあると思います。しかし、全ての方に等しく効果的というわけにはいかない場合もあります。

顔面痙攣、眼瞼痙攣

片側の顔面の筋肉や眼瞼周囲の筋肉が自分の意思に関係なく痙攣する病気です。顔面痙攣は最初、目のまわりの軽いピクピクから始まり次第に同じ側の額・頬・口・あごなどへ広がり、痙攣が強いと顔が突っ張ってゆがんだ状態になります。眼瞼痙攣はまばたきが増えたりすることから始まり、まぶたが開かなくなって目が見えない状態にもなります。これらに対してはなかなか有効な治療方法が無かったのですが、最近では微量のボツリヌス毒素を注射することによって痙攣を抑える方法が行われるようになりました。この方法は簡単で効果も確実であり、副作用も殆んど無いため今後更に広まると考えられます。

複合性局所疼痛症候群(カウザルギーあるいは反射性交感神経性委縮症)

外傷をはじめとする様々な原因によってもたらされた、持続的で局在性が不明瞭な非神経痛様の、難治性疼痛、また交感神経失調症状としての血管運動障害・発汗障害、そしてさらに進行すると皮膚・爪などの退行性変化、筋萎縮、骨粗鬆症などの局所栄養障害をきたす病態の総称です。明らかな神経の損傷を認めない反射性交感神経性萎縮症(RSD)(複合性局所疼痛症候群タイプ 1 )と、明らかな神経の損傷後に生じるカウザルギー(複合性局所疼痛症候群タイプ 2 )に分類されます。治療法は交感神経節ブロックを含めた各種神経ブロック療法に加え、さまざまな薬剤が用いられます。
その他にも、腰痛の方、頸・肩・腕の痛む方、末梢血行障害の方、中枢性疼痛の方、癌性疼痛なども神経ブロックおよび薬物療法などが適応となり有効な疾患がありますので、一度ご相談ください。

診療日等



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